第2話 プロローグ…2

「でも…何でこれが、こんな所に?」

 誰が持ってきたのかは、わからない。

それに、自分の所に持って来られたって、何かが出来るわけではない

のだけれど…

(そもそも、どうして欲しいの?)

いわくあり気なその白いツボを見つめて、アキはやはりモヤモヤとする。

「ねぇ~いいから、開けてみてよ」

なぜかカガリが、さらにうながしてくる。

「え~っ」

 どうも、気が進まない。

「大丈夫よ、何も起きないって…」

さらにカガリが言う。

(何よぉ~今日はやけに、言うのねぇ)

そもそも、白い他人のツボなんて、進んでさわりたがる人なんて、いるだろうか?

「あんまり、気が進まないなぁ」

もう一度そう言うと、アキはようやく、この白いツボのフタを開ける。


(何だか、ヤだなぁ~人の骨を見るなんて…)

 まったく知らない相手ではないとはいえ、あまり気分のいいものではない。

「あれっ?」

 アキよりも早く、カガリが中をのぞき込む。

「骨が、ない…」

「へっ?」

 カガリの声に、アキは思わず反応する。

「だって、これ、骨つぼなんでしょ?

 だったら、骨があるはずよ」

そう言いながら、ようやくアキも中をのぞく。


 白い陶器のツボの中は、ほぼ空っぽだった。

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