第13話

「ん?」

「ずっと私をそばに置いてくれますか?」

「え、ああ、うん」

「新しいロボットが出てきても私を使ってくれますか?」

「あー、うん、いいよ」

 コスモスは微笑んでいた。

 夜。寝室。 

 なんだか、コスモス、自分の意思を言ってくるようになったな。とういうかロボットに意思があるんだろうか。新しいのが出てきても自分を使ってくれって、捨てられるとでも思ってるのか?      

 寝起き。温水はあくびをする。リビングを見るとコスモが衣類にアイロンがけをしていた。後ろ姿が見えていた。

「おはよ」

 コスモスのクビが180度回転。

「おはようございます」

「うわあ」

「申し訳ありません、驚かせて」

「いや、いいよ」

 ソファに座り、TVをつける。コスモスはアイロンを続ける。

 昼、外に出てコスモスと散歩をしていた。

「なんか最近ロボット増えた?」

 歩いている人々を見る。

 ロボットと会話している人。後ろに連れている人。手を繋いでいる人。肩車をされている子供。車椅子を押されている老人。勉強を教えて貰っている子供。

なんだか皆ロボットを連れているみたいだった。

前から見知った顔が歩いてくるのが見えた。

 清恵だった。

 温水は声をかける。

「や、やあ」

「あら」

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