第11話

「うわあ、至れり尽くせりだねえ」

 温水は笑顔になっていた。

 コスモスも微笑んでいるような顔になっていた。

 朝、寝室で目を覚まして、リビングに行くと、コスモスが直立で立っていた。近づくとコスモスが起動してキテレツな動きをしだした。温水はそれを見てギョッとする。

「どうにかならないのかな、この動き」

「おはようございます」

 コスモスが目を開ける。

「お、おはよう」 

 コスモスがリビングで掃除をしている。温水はソファに座ってそれを眺めている。

 コスモスは庭に出て洗濯物を干しだした。

「なんで、洗濯物を叩いてるの?」

「こうすると、皺にならないんですよ」

「へえー」

 コスモス、フキンとまな板を消毒液につけている。    

「それは?」

「鶏肉は気をつけないと食中毒になります、消毒してるんです」

「ああ、お昼ご飯鶏肉だったもんね」

 二人で商店街に来て買い物をしていた。

「持とうか?」

 コスモスは大量の荷物を持っている。

「いえ、大丈夫です。私の耐荷重量は200キログラムですので」

「そ、そっか」

 二人は並んで帰って行った。


 朝、家のリビング。ゴミの日。

 温水はそういえば今日はゴミの日だったなと思い出した。

 ゴミ箱を見るとゴミが既に捨てられてゴミ箱は空だった。

「やることないや」


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