第七話「女子高生? OL? おばさん? 修羅場の三重奏」

日曜の午後、俺は自室でガンプラをパチ組みしていた。

 この前の件(元旦那襲来)で変に気疲れして、外に出る気力もなかった。


 そこに——。


「おーい、北山ぁー!」

 廊下から聞こえてくる声。ドアを開けた瞬間、俺は固まった。


 東雲りな、鮎原やよい、柊木まこと——モケ女三人衆が勢揃い。

 しかも全員、ヨドバシ袋やら工具箱やらを抱えている。


「おい北山、作業台貸せ」

「狭いけどあんたの部屋、光の入り方がガンプラ塗装にちょうどいいんだよ」

「そうそう、あと塗料乾かすスペースも」


「いやいやいや!? なんで俺んち!?」

「だって北山、ヒマそうじゃん」

「それだけの理由!?」


 俺の抗議を無視して、三人は部屋に雪崩れ込む。

 塗装ブースもないのに、新聞紙を敷き、塗料を開け始めた。



 そこにタイミング悪く、植村さんがやってきた。

「北山さん、おすそ分けで——あら?」

 玄関を開けると、女子高生&OLが部屋の中でガンプラを塗っている光景。


「……楽しそうですね」

 笑顔だけど、なぜかほんのり圧を感じる。


「ち、ちがっ! これはその……模型部の練習場というか!」

「へぇ〜……そうなんですか」


 東雲りながすかさず囁く。

「隣の人? ふ〜ん……可愛いじゃん」

 鮎原やよいはにやにや。

「この人が例の“おばさん”ね?」

「ちょ、やめろぉぉぉ!!!」


 修羅場。

 女子高生・OL・年上ヒロイン、三方向の視線が俺を刺す。



 結局、作業は夕方まで続き、俺はほぼ何もできなかった。

 帰り際、植村さんがぽつり。


「……女子高生も、OLさんも、おばさんも。みんなそれぞれ魅力があると思いますよ?」


 その言葉がやけに胸に刺さった。

 でも同時に、後ろで笑うモケ女三人の声も忘れられない。


(……もうやめてくれ……)

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