第四話「“おばさん”に囲まれて、俺は反省する──のか?」
日曜の昼。
俺は駅前のヨドバシに向かっていた。
「HGCEデスティニー、再入荷ってマジ!?これは確保案件だろ!」
プラモのためなら軽く小走り。
Silent Riotのタオルを首に、Tシャツには“ことね様命”とプリントされた黒。
で、そんな俺の前に現れたのは——
「……あれ、あんた」
「うっわ」
「……最悪」
東雲りな、鮎原やよい、柊木まこと。
——モケ女三人衆、町田ガンプラ倶楽部の中心メンバーが、ヨドバシの前で仁王立ちしていた。
「また会ったね、ロリコンくん」
「まだ女子高生好きとか言ってるの?」
「うっわ……マジでキモいんだけど」
3方向からの罵声。俺、死亡。
「い、いや! 俺はただSilent Riotを愛してるだけで……!」
「じゃあさ、社会人の女性には興味ないってこと?」
「隣に住んでる人、綺麗だったけどな〜。あれでバツイチとか、逆に萌えるっしょ」
「おい言うなそれは!!!」
言わせんな! 俺の隣人は植村恭子さん!
バツイチ! 年上! おばさ……いや、違う!!
俺の中で何かが爆発しかけたその時——
「北山さん?」
声がした。
振り向くと、植村さんが、ヨドバシの袋を提げて立っていた。
すこし驚いた顔で、こっちを見ている。
俺と、モケ女三人衆を。
「知り合いの方たちですか?」
「えっ!? あっ、えーっと……その、模型仲間的な……」
「へえ〜。じゃあ、また今度、お話聞かせてくださいね?」
彼女はにっこり微笑んで、去っていった。
残された俺と、モケ女三人。
「……なにあの人、めっちゃ良い人オーラすごない?」
「“おばさん”とか言ってたの、誰だっけ?」
「ねぇ、まじで……お前、見直したわ。推せる」
「…………俺、もう黙ってます……」
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