Bulletwriter

しゃし

Prologue

「……まぁ……こんな所だよな……ここまで生きているのが奇跡だわ……」

コックピットの中で1人つぶやく男の体は青紫と赤の液体で染まり電装系らしき所からは火花が飛び散っている。

通信システムはエラーを吐き続け援軍も仲間も呼べない

機体の隙間からは外の景色が薄らと見えるが空の色が茜色なのしか認識できない。

機体のUIは赤と黄色の文字を点滅させながら操縦手に危険を伝えている

no amo generator overheat damage 80%

満身創痍のその機体は生き残ったカメラで外の景色を写している

大量の巨大生物がぐちゃぐちゃになってその地を埋めていた。

その中には一際デカイ……約数kmの大きさの個体までいた。


「…まぁ……あいつが……生きていてくれるならそれでいいか……俺の生きた証を……だからな」

1人の少女が瞼に浮かぶ。

彼女との出会いでここまで来た彼は少し幸せな笑みを浮かべながらゆっくりと眠るのであった…………





戦艦のブリッジで少女がへたり込む

「……嘘…嘘よ……」

ある機体からバイタルシグナルがロストした

無線は切れて通じなかったがそれでも生きてるのだけはわかってた。それが急に消えたのだ

通信士からヘッドセットを奪い取り叫び続ける

「ねぇ!!起きてよ!!……嘘よね!!何時も見たいに……!!」

慟哭をあげた彼女は繋がらない無線にしゃべり続ける

「…私が書き終わったら最初のファンになるって言ったじゃない!!……まだ貴方には何も……して無いのよ……ねぇ……」

ブリッジの女性が彼女に近付き抱きしめるとヘッドセットを通信士に返す。

現実に引き戻された彼女はその場で泣き崩れ

彼女の慟哭だけがその場に響き渡った……

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