第23話 アドバイス

「は?」

「その冷めた目やめて! ダメージ来るから!」

「同級生に親戚になりたいとか言われたら、こんな目にもなるわ!」


頭を抱える。天城がどこかずれた性格だとは感じていたが、ここまでとは……。


「親戚っていうのは物の例えね!た・と・え!」

「……というと?」

「いずれ二人が結婚して子どもができるとするでしょ?」

「まあいったん最後まで聞こう……」

「その子に、あれ? このお菓子くれるお姉さん、いつも家にいるし、旅行も毎回いるな~、まあいっか、って思われるぐらい近い距離にいようって意味!」

「こえーよ! 子どもが違和感持たないところとか、ホラーすぎんだよ!」

「いいじゃん! 子守りもするからさ~」


俺は一体、今後どうやって天城と付き合ってけばいいのか……。考えるのも億劫だ、もう勝手にしてくれ……。


「料理もできるよ! 得意料理は――」

「はあ……、まあいい、行くか……」

「ねぇ!? なんか扱い雑になってない!? ねぇ、ねぇってばー!?」


何やら騒がしい天城を無視して会計をする。本来の目的を果たさねば。

再び、誕プレ選びを始める。もうそんなに時間もかけていられないと思い、ペースを上げて次々と見ていく。


そんな中、ふと、あるものが目に留まった。特段、装飾が多いわけではないが、やけに目を引くそれをよく見ようと手を伸ばす。


「おっ、これ……」

「いいじゃん! すーちゃん絶対似合うよ!」

「よし! これにするか!」


早速購入し、包装してもらう。傷つけないように丁寧に鞄にしまう。

二人でショッピングモールを出て帰路に就く。長い間、空調の効いた室内にいたからか、余計に暑く感じる。外は、陽が傾いて、空を真っ赤に染めている。


「あとは渡すだけだね?」

「……そうだな」

「緊張する?」

「ま、まあな」


一度告白を失敗している身としてはどうしても不安を感じてしまう。告白……、告白と言えば……。となりの天城を見るとニコニコして歩いている。


「天城はさ、たくさんの人から告白されてきただろ?」

「うん、ありがたいことにね~」

「告白に関してアドバイスとかないか?」

「うーん……、アドバイスか……」


彼女が頭を悩ませる。結論が出たのか、改まった口調で話し始める。


「好きっていう気持ちで伝えればいいと思うよ」

「気持ち『で』?」

「うん、受けるほうとしては意外とわかっちゃうんだよ。面白半分だな~とか、ワンチャンにかけてるな~とかね」

「なるほど……」

「まあ、日向くんの場合は心配いらないと思うけど」

「なんで?」

「だって、好きで好きでたまらないって感じじゃん」

「ひ、否定はできない」


まあ、でも覚悟は決まった。ストレートに、シンプルに、自分の想いを伝えることにしよう。結果については今考えないでおこう。


「終わったらちゃんと報告してね」

「うん」

「あとはすーちゃんのこと大事にしてね」

「うん」

「親戚の件も前向きに検討してね」

「う……、いいえ」

「ちぇ~、いけると思ったのにな~」


誕プレ選びという名目で今日一日天城と過ごしたが、色々なことを知れたし、アドバイスももらえた。実に充実した日になったと思う。


「天城」

「ん~?」

「ありがとな」

「……どういたしまして!」






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