幻影の剣NEXT

ラグランジュ

第1話 プロローグ

ここはかつて地球と呼ばれた。


 今は荒涼とした世界が広がっている。ごく僅かに生き残った人々はこの地球の地下に住み続けた。


 それは永遠と思えるほどの長く果てしない、終わりのない…


 そしてかつての地球を知らない人々はいつしか見たことのない地球をエターナルと呼ぶようになった。


 さらに長い間この地下にいた人々は時間の概念を忘れていった。


 ここには時の流れが無い。古文書や語り継がれた内容のみがかつての地球を知る手立てだ。


 今はその地球エターナルは幻獣が支配する世界になっていた。地上を目指した人々は共存を試みたが願いはその叶わずに。


 幻獣は徹底した人々との共存を拒み、人々の生活拠点を破壊し、その幻獣に呼応するようにこの世界を破壊しようとする人間も現れた。


 人々は何を望むのか、人々に何が残されてるのか、全てを手に入れようとすると人間と平和を求める人間…


 歯車が僅かにズレただけで、欠けて、壊れて、再び滅亡へ向かっていく。


 そして、この地球エターナルは再び戦火に包まれていく。





※【お父さん、この人は本当にいたの?】※


※【ああ、英雄ピモの話だね。語り継がれてきた伝説の英雄だよ。実在したかどうかは解らないけどね】※


※【僕はこのピモのようになりたい!!】※


※【ははっ、お前なら。さっ、地下に入ろう。空が暗くなってきた】※


※【あっ!!綺麗な石…もう出てきちゃうの?僕達は出てきたばかりなのに…】※


※【外に出てるだけ有難いことなんだよ。かつては出ることも出来なかったんだ】※


※【英雄ピモがいてくれたらいいのに…】※


※【そうだな、さぁ、入るぞ】※



----------------------最終ゲート203----------------------



※【お前達が最後だな。よし、閉めるぞ。次からもう少し早く戻れ!!】※


※【すみません。気をつけます…あっ、おい!!何処へ行くんだ、戻れ!!!】※


※【さっき石落としちゃった。取ってくる!】


※【馬鹿!!石なんか!!戻れ。すみません子供が!!すぐ連れて帰ります】※


※【駄目だ!!ゲート閉めろ!!すぐだ】※



グォーーーーー!!



※【待ってください!子供が、子供が!!】※


※【駄目だ!!幻獣との契約だ。陽が陰ったら幻獣達の世界だ。諦めろ】※


※【戻れーーーーー!!!!!頼むから戻ってくれ!!!!!】※



※子供?お前何故ここにいる?契約を知らないのか?※


※【幻獣さん、ごめんなさい。石を…】※


※石?そんなもののためにか?じゃ命を諦めろ!!※


※【ごめんなさい!!ごめんなさい!!!】※


※駄目だな!!久々の人間だな※


※【わぁーーーーーん!!ごめんなさい】※




【子供だぞ!!いいだろ。見逃してやれ】


※ん?誰だ貴様は?人間の分際で命令するのか?お前からいただくと…ぐっ!!なんだ?お前何をした?※


【俺に剣を使わせる気か?とっくに使いかた忘れたんだ。その巨大で動きを止められたんだぞ。俺の独壇場だがな、それでもやるなら】


※ぐぅーー……何者だ?人間なのか?※


【その内解るさ。とにかくこの子は俺が預かる。その代わりここから俺たちは去る。それでいいな】


※くっ!!動かないなら仕方ない。お前達、次はないぞ※


【解ってるさ、幻獣共。さっ、地下に戻ろう。お父さん心配してるぞ】


※【おじさん、ありがとう!!強いんだね】※


※【強くはないよ、お兄さんな】※











 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る