セックスで覚醒!百合戦士が美女を虜にして神になる異世界ハーレム譚
ダニエル・G
キス・マイ・ブレード
十年前、クイナは十七歳だった。
まだ女神ではなかった。ただ、目に炎を宿し、腕には傷を隠す細身の少女だった。
学校の廊下を幽霊のように歩き、視線は下向き、声は消えていた。毎歩が「消えたい」という祈りだった。
そんな彼女を見つけたのが、ジェームズだった。
身長190センチ、ムキムキで自信満々、フットボールのスター、笑みは悪魔のよう。
ある朝、彼は彼女のロッカーを乱暴に閉め、「気持ち悪い」と罵った。次は嘲笑、三日目には昼食トレイを床にぶちまけて笑った。
他の生徒たちも笑った。
そこから、クイナは慈悲を信じなくなった。
でも、壊したのは学校ではなかった。ジェームズでもなかった。
父親のトビーだった。
酒と暴力のモンスター。母を殴り、彼女も殴った。ある夜、酔いに任せて台所にナイフを取り叫びながら襲いかかった。母は床で血を流し息絶えた。
「お前のせいだ」とだけ言って、彼は去った。
それきり、彼女は父を見ていない。でも、その顔は忘れなかった。
その夜、裸足で逃げた。壊れ、憎しみよりも深い何かを胸に燃やしながら。
今、クイナは二十七歳。
鋼のような体。腹筋で頭蓋骨を砕ける。腕には縄のように血管が浮き上がる。
一人で生き、誰とも話さず、微笑まない。
朝から晩まで、ジムで鍛え、武術とナイフ、腕立てを血が滲むまで。
恋ではなく、怒りと生存だけ。
そして今日。
台所のテーブルに、黒い瓶と――
棒で結ばれたメモが置いてあった。
「もう被害者はやめたいなら、飲め。」
彼女は手をかざし、しばらく見つめた。だが、取りはしなかった。
「これは…?」と呟くと、
「ついに、か。」
背後から声がした。滑らかで甘い毒のようだった。
振り返ると、そこに立っていたのは人間ではなかった。
完璧すぎて、不浄。黒髪のボブ、血のような唇、ゴシックな衣装に膝丈ブーツ。そして背には、退屈そうに揺れる黒い羽。
「こんにちは、クイナ。私はカイリー。あなたを“より良い世界”へ誘う存在。」
クイナは答えず、瓶に視線を戻す。
カイリーは首をかしげ、「これを飲めば、女が支配し、男は跪く、魔法が本物の世界に入れる」と囁いた。
ユキナは目を細め、「なぜ私を?」と訊く。
「怒れるから。強いから。壊されたから。だから今、立ち上がる時。」
彼女は瓶を手に取った。カイリーはウインクしながら、「怯えるつもり?戦って血と痛みを耐えてきたのに?」と挑発する。
彼女は飲んだ。そして──世界がねじれた。
彼女が飲み干すと、世界は傾いた。
色が引き伸ばされ、肌が焼けるように熱くなる。服は一瞬で消え、彼女は光の中を漂い、裸で、重力を失ったように宙に舞う。
──そして、落ちた。
ドンッ。
彼女は赤い草が広がる平原に裸足で着地した。
空は紫色。目の前の地面に、一本の剣が突き刺さっていた。
細く、長く、そしてピンク色に輝く、まるで武器化された夢のような剣。
彼女は剣を握った。
DING!
「レベル1。ようこそ、クイナ。ミッションアップロード完了。」
タスク:男性犯罪者3人を排除せよ。
推定被害者数:60人の女性。
報酬:ターゲット1人につき+1レベル。
木々の間から3人の男が現れた。
大きく、武器を持ち、一人は唾を吐きながら笑った。
「なんだこの女?兵士の代わりに人形でも送ってきたのか?」
クイナは答えない。
剣を握る手に力が入る。
最初の男が飛びかかってきた。
速い。強い。彼女はギリギリで避け、彼の腕の下を滑り込み、腹を殴った──効かない。
反撃の拳が頬に直撃し、顎が音を立てて歪んだ。彼女は後退する。
「終わりだ!」男が叫ぶ。
血を拭いながら、彼女は息を整える。
ジェームズの顔がよぎる。トビーの声が響く。
──笑った。
彼女は低くしゃがみ、踵で彼の膝を粉砕する。バキッ。
男が叫ぶ。その顔に回転蹴りを叩き込み、倒れた隙にナイフを奪い、胸に突き立てた。
DING!+1レベル。現在:レベル2。
次の男が襲いかかってくる。目が見開いている。
怒りではなく、恐怖。
彼女は彼の肋骨に膝蹴りを入れ、首筋に肘を落とす。即・沈黙。
最後の男が命乞いをする。
だが、クイナは彼の声を最後まで聞かせない。
DING!+2レベル。現在:レベル3。
血まみれで、傷だらけだが、彼女は立っている。
──そのとき、カイリーが現れた。
拍手をしながら。
「悪くないじゃない、戦士ちゃん。」
クイナは首を鳴らす。「次は?」
カイリーがにやりと微笑む。「本気の挑戦、欲しい?」
新たなミッション:
敵領域で90人の男性を単独で排除せよ。
報酬:1人につき+1レベル。
クイナは血まみれの顔で笑う。
「かかってこい。」
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