誕生日


 「遅れてすまん」


 入り口のベルが鳴り、鈴木が息を切らせてレストランに入ってきた。


 「遅いぞ」

 

 先に来ていた田中はコーヒーを飲んでいる。


 「今日は俺の誕生日だからお前の奢りな」

 

 田中は笑いながらそう言った。 

  

 鈴木も笑みを浮かべて席に着く。


 『〇〇学校でいじめが、、、』


 「最近多いよないじめ…」


 鈴木が、テレビを見ながらぽつりとつぶやき暗い表情をする。

 

 「俺の弟もイジメられて自殺したんだ」

 

 そう言うと鈴木は田中に写真を見せる。


 「こいつが俺の弟だ。優しいやつだったのに」


 そこには制服を着た少年が写っていた。


 田中はそれを見て固まる。


 「弟は誕生日に自殺した。だから俺も弟をイジメた奴を誕生日に殺してやることにしたんだ」


「えっ」


 田中は声を漏らす。

 

 「今日、お前の誕生日だよな」


 鈴木は笑みを浮かべる。


END

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