ひまなときに詠む短歌

凪紗夜

7月25日 待合室にて

待合室遅々として進まぬ診療わたしのこころの治り具合





夜想う短歌にぐっと引き寄せられ待ち時間に指折り詠む僕





入門書片手に長椅子となりのひとがぎょっとしている





百均でサンリオ探しふらふら歩く可愛いものが好き死ぬまで先も




こんなとき篠澤広はどうするの?学マスにわかでも広が好き




首痛いスマホのしすぎ、だって彼氏のSNS監視しなきゃ




本当はセラピーよりも約束がほしい「人生うまくいきます」




不安なく親を信じるおさなごに戻りたい今




依存とは恋愛に似て甘美なる飴待つ気持ちあなたの笑顔




信じないもう三十、心だけスクバにプリクラ、あのころのまま




書き晒し稚拙な歌をダメ出ししてくれる人は無し




解放しろ!待合室、あまりにも長いおばあちゃんになっちまう




ぬるいかぜ待合室で冷えたからだに心地よく響く花火



----


メンクリの待合室で読んだ短歌です。15時に受付して薬を処方してもらい、解放されたのが20時でした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る