Emotions
さばかん
はじめに。
幼馴染はいつまで経っても幼馴染。
これが俺の持論。因みにここで言う幼馴染は異性の事を指す。
急に何言ってんだこいつ、と思っても構わないんだけれどもそう言い出すにはれっきとした理由がある。
何故なら最初に説明した、【幼馴染はいつまで経っても幼馴染、中略。幼馴染は異性の事を指す】という言葉に対してどれくらいの人が、「どーせ、ラブコメ的な話の導入なんだろ?」と思っただろうか?
そう。異性の幼馴染イコール結果恋愛関係に発展、的なストーリーが世の中に出回り過ぎている。溢れかえり過ぎてウンザリだ、満腹。吐きそうだ。
親同士が知り合いで、保育園の頃から互いの家を行ったり来たり、暇さえあればそこら中駆け回ったり。気が付けば頭ん中青い春真っ最中の高校まで一緒とくれば、男女として意識しちゃって、恋愛モード突入。って、漫画すか?
友達は少なくなかったけれども、こと異性の友人となれば【彼女】を除けば皆無だ。そもそも女の子の友達なんて小さい頃ならまだしも、思春期を迎えた今の時期なんていうのは周囲から勘違いと好奇の眼差しを向けられる格好の餌食になるのは明らかな事実である。だから幼馴染って表現より女の友達って表現のがまだマシ。一世代前に比べたら今はまだ男女間の友情が多いと思うからマシかもしれないけど。
つーか友達ってなんだよ、どう言っても昔からの知り合いが女だからって理由ってだけでデキてるんじゃねーか?みたいな語弊が生まれるんだよ。そもそも友達という呼び方も、俺たちの関係を指し示す言葉のしては合ってない気がする。
まぁそりゃあお誘いがあれば断る理由がないから、一緒に出掛けたりもするし、未だにお互いの家でゲームをしたり漫画を読んだりもするけど、いつだって発信は向こうからで俺から誘った事なんて一度だって無い。恐らく今後も、有り得ない。そんな関係が友達と言うのなら否定はしないけれども、それでも何かしっくりこないのは俺だけなんだろうか。
当然。勿論。彼女なんかでもない。
10年以上同じような関係を続けてそんな相手を今更異性としてなど見れる人の気が知れない。訳が分からないし、何がどうなったらそうなるのか。経験者の人には是非ともご教示願いたいところだ。教えて貰ったからといって、へーそうなんだ、の一言で終わらせてしまう結果になるのが分かっている上で丁寧に説明して欲しい。そして感想一言に対して失礼とも思わないでいただけると有り難い。俺よりもそれよりも、俺がどうのこうのよりも【彼女】自身に交際相手が出来るのが想像出来ない。
そもそも、これは自慢でもなんでもない只の事実なんだけれども、【彼女】の相手をまともに続けられるのは恐らく、どう贔屓目に見たとしても家族を除くと俺だけだと思う。
これは男の子では、という意味ではなく男女共通での話。念を押して言うが、これは事実に基づいてそう言っているのであって、決して昔から【彼女】を知っている優越感とか虚栄心とかのそれでは決して、断じてない。
昔から【彼女】を知ってるから、という部分だけ指せばその理由の一つとしてはまぁ間違ってはいない。何故なら彼女と接する上で、障害になるのが【彼女】の事をどれだけ理解出来ているのかが大切になってくる。
ここだけ切り取るとやっぱり俺が彼女の掛け替えのない存在のように聞こえてしまうが、やっぱりどうしようもなくそれは間違いで、そう思うのは場違いだ。
【彼女】と違い、俺は無感情無感動な人間だと自他共に認めている。正確に言えば、感情もあれば感動だって少なからずした事はある。ただそれが表情とか態度とかに表面化して表現されない。したくてもやり方が分からない。特に困ることもないから改めようとも思わない。なんの意味もなく自らの人間性を下げて話しているわけではないので、最後まで聞いてほしい。
まぁつまりそう言った意味でも【彼女】は俺に昔から変わらず接してくる。好きも嫌いも良いも悪いも出してこない、変わらない俺の態度が良いのだろう。【彼女】も同性の友達はいるけれども、側から見ていて結構苦労しているのが手に取るように分かる。これは【彼女】とその友達との両方だ、特に友達の方は何度も【彼女】に対して戸惑い本人なりの最大限の愛想笑いを努力して作っているのを見ている。恐らく喜怒哀楽の表現が顕著な【彼女】はそういうのも分かっているから、最終的には俺のところにきて鬱憤を晴らすかのように絡んでくるのだろう。
前置きが長くなってしまったが、要するに今説明した通り、【彼女】は喜怒哀楽が顕著である。大切なことなのでもう一度言っておく。
【彼女は喜怒哀楽が顕著である。】
そして、喜怒哀楽の表現が破滅的な人間である。
そんな【彼女】と俺の話をしようと思う。
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