ロロファ

山法師

プロローグ

 ほら、一面に咲いてる。

 雪のように白くて、澄んだ泉のように淡い青の。

 夢みたいに美しい花。

 私が好きな、あなたの、ミルビィの花。

 ミルビィの花が、私たちを護ってくれるから。

 だから、どうか泣かないで。

 私が眠ったら、あなたも私の真似をして。

 眠るみたいに目を閉じてみて。

 一面に咲き誇るミルビィの花が、私たちを護ってくれているから。

 ──聖古代詩『ミルビィの花』──


 ◇


「あたしを心配してる感じで見てるなって思ったので」


 ロロファの言葉を聞いたエリスは、驚きに目を見開いた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る