大前提として、殆ど全ての作家は凡人です。
何度も間違えては、それに気付いて修正し、少しずつステップアップし、段階を踏むことでやがて成功していくものです。
何もこれは執筆活動に限ったことではありません。
絵もそうですし、スポーツ全般もそう、更には営業・工業・事務などを問わずあらゆるお仕事でも、トライアンドエラーを繰り返して成長していくわけです。
そういう意味では、「失敗に気付き認めること」こそが、成功するためのまず最初の一歩だと言えます。
これ、初心者やベテラン問わず、結構勇気がいることなんじゃないでしょうか。
少なからず落胆してしまいますし、恥ずかしいという気持ちにもなりますからね。
ですが、本作の作者様は自身の失敗をきちんと正面から受け止め、それを成長の礎とすることに成功しました。
この姿勢こそ、まず我々が見習うべきものですね。
そんな作者様が、身を切る思いで自身の失敗談から成功のヒントを分析しておられるのですから、是非とも利用させていただこうではありませんか。
創作に携わる人なら誰もが経験する“うまくいかなかった試み”。
本作『しくじりセブンと7つの創作論』は、そんな作者自身の挑戦と試行錯誤を、ユーモラスに振り返った創作エッセイです。
プロローグの是非から始まり、コメディとギャグの違い、笑いの型、キャラクター造形の落とし穴、序盤の見せ場の作り方、情報の取捨選択、さらには「作品との向き合い方」まで――創作に関わる人なら誰もが一度は直面するテーマを、軽妙な語りで解き明かしています。
決して説教臭い指南書ではなく、むしろ笑いながら共感できる「創作の舞台裏」。
読み終える頃には、不思議と次の一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはず。
「創作の迷いも、笑いに変えてしまおう」
そんな前向きな気持ちを与えてくれるエッセイです。
そして何より、文章の端々ににじみ出る作者様の人柄が、とてもあたたかい読後感を残してくれます。
ぜひ多くの方に読んでみてほしい作品です。
本作に登場する代表作『脳筋!追放勇者の魔法教室』は決して失敗作ではありません。
それだけは確かです。
この創作論には、それを通して得られた豊富な気づきや学びが凝縮されています。
全体を通して文章は読みやすく、冒頭から各エピソードにかけて自然に読者を引き込みます。
時に語りかけるように、時に自身の過ちを笑い話として提示しながら、それらを単なる自虐に留めず、創作を見直すきっかけへと昇華させている点が秀逸です!
小説に携わる者なら誰しも一度は感じたことのある「思わずハッとさせられる瞬間」が丁寧に表現されており、創作に向き合う読者の背を優しく押してくれる、そんな実りある内容となっています!
是非、読んでみてください!