短編 セックスしないと出れない部屋
修羅
短編 セックスしないと出れない部屋
気がついたら白い小さな部屋にいた
パジャマみたいな服を着ていた
ベッドの上にいた
ここは何処だ?
と思ってると
ベットの下に女がいた
おそらく同じぐらいの歳、17,8というところだろうか
「君、大丈夫か?」
彼女は気がつく
「ここは何処?」
「解らない君は?」
「私は、アレ?誰だったっけ?」
その時、僕も気がついた、自分の名前も過去も思い出せない
「困ったな、、」
「お互い、なんて言う?」
自然な会話の中でお互いに名前をつける事にした
「何となく、私はアイで良いかな?」
「僕の名前は君が付けてよ?」
「じゃあ、ユウはどう?」
「YOUか、単純だな?」
「言いやすくて良いじゃない、では始めまして」
「君は状況は解ってるの?」
「良くわからないわ、気がついたらこの部屋で寝ていた」
「僕も同じだよ、、、」
僕達は部屋を調べた、一応、トイレや風呂はあった
小さなキッチンみたいな物もある、では食料は?
冷蔵庫があった、中身はぎっしり詰まっている
メーカー名が書いてない冷凍食品も多くあった
「食料には当面困らない、訳か、、、」
「料理は私、苦手、、、」
「僕が作るよ、何となくだけど記憶がある」
奇妙な共同生活が始まった
そしてこの部屋は何なんだ?そして脱出方法は?と僕達は考えるようになった
「何ていうか、変なのよね、この部屋、冷蔵庫は何時の間にか補充されている」
「服はパジャマが数着、でも何時も洗濯されて補充されてるな」
そして、一つの文字が壁にかかれている事に気がついた
「セックスをしないと出れない部屋」
僕達は顔が真っ赤になった
「ちょっと、どういう事?」
「古典的すぎる、、、、」
「する?」
彼女の唐突な提案、僕も性欲は無いわけじゃない
「まず、落ち着いて!!僕は君の事は嫌いじゃないけど、そう簡単に人生の一大事を決めて良いのかい?」
「うーん、でもどうせ、何時かは経験するんでしょ?」
「あの、君は?」
「処女、貴方は?」
「童貞、、、、」
しばらく沈黙が続く
「とりあえず、しばらくこの部屋で生活して見よう、何か隠し要素があるかもしれない」
「そうね、それが懸命ね、、、」
しばらく生活していると僕達は性格的には相性が良いことが解った
料理下手な彼女に料理の仕方を教えるのが楽かった
そう言えば彼女は多分、可愛いのだろう、スタイルも良いなと思い初めていた
「そういえば、多分、あなたっていい男に入ると思う」
「えっ?」
唐突、だが、この部屋には鏡がなかった
「そう言えば鏡は無いよね?」
「キッチンのシンクに写ってる顔は見れるけど、私はそこそこかな?」
「いや、可愛いと思うよ?」
「ありがとう」
彼女が微笑む
あ、好きになっていた
「その、セックス、してみる?」
「、、、、、うん」
お互いにはじめての経験
気がつけばお互い眠っていた
そして目覚めた時、彼女が言う
「おはよう」
「おはよう」
「ねえ、かんがえみたんだけど、、、、」
「何?」
「このまま、この部屋で愛し合い続けるのも良いかな?」
「それって好きって事?」
「好きだよ」
「私も」
その瞬間、部屋の一角の扉が開いた
「えっ!!」
「セックスをしたからドアが開いたのか?」
「とりあえず、出てみましょう!!」
外の世界は穏やかな平原だった
食料になりそうな植物もある
「綺麗な世界ね?」
「うん、でも、生きていくのは大変かもしれない」
「何もないしね、、、」
「うん」
そういって僕達は今まで閉じ込められていた部屋を見た
四角い小さな箱のような家みたいな部屋
そこにはこう書かれていた
『גן עדן』
短編 セックスしないと出れない部屋 修羅 @SYURA_sh
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