第22話

俺たちの会話をじっと見つめる金髪。


さっきの様子とは少し変わった様子に首を傾げていれば、バカでかい声が響いた。



「士郎さん!! こいつ何なんすか!!」



キーンッと耳に響く声。


耳を押さえた俺の横で「うっせ」と顔を思い切り顰める玲鷹さん。



「うるせぇ声量考えろ」


「すんませ…じゃなくて!」



びっと指を指される。へし折ってやろうか。




「こいつ! 2年代表ってまじですか?」


「あ? さっきこいつが言ってただろうが」



てめぇの耳は飾りかと迷惑そうに顔を顰める士郎に、そんなもの関係あるかと言わんばかりな銀髪。


あの士郎相手にやるなぁ。



「こんな地味な奴が2年代表なんて聞いてねぇっす!」


「言ってねぇからな」


「俺が2年代表ってどんな人っすかって何回聞いても答えてくれなかったじゃないですか!

俺はてっきり士郎さんたちよりヤベェ奴なんだと思ってたんすよ!? なのにこんな!」



こんなチビで地味で一般にいそうな奴が!!という叫び声に、玲鷹さんとりづさんからちらっと控えめな視線を頂いた。



ええ、ええ。そうですよ。

流石に温厚な俺でも怒っちゃいますよ?



「りづさん」


「うん?」


近くにいるりづさんに声をかければ、なあに?と首を傾げられる。



「あの口の聞き方のなってない失礼極まりない1年はお知り合いですか?」


「あはは。とーま怒んないの」



いつから短気になったの?と問われる。いや、俺が短気なんじゃなくてあいつの度が過ぎてないか!?



「千里ね。中等部からの後輩なんだよ。

ああいう性格だからね、中等部の時士郎に啖呵切って勝負して負けてから士郎のひっつき虫でね」



因みに俺も玲鷹も勝負して勝ってるよ。と言われ、じゃあこいつ俺含め全員に負けてんじゃん。と呆れる。



「1年代表に絶対なりたいみたいで、斗真のことも聞かれてたけど答えなかったんだよね」


「反応がおもしろいから?」


「そうそう」



人で遊ぶな。そうそうじゃないわ。



「まあある意味俺らより"ヤベェ奴"ではあるはな?」


「うん。間違ってないねある意味」


「はー? あんたらと一緒にしないでくださいよ」


絶対この人らの方がヤバい奴でしょ。





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