古代中国の世界観で描かれる本作は、とくに春秋戦国時代を知る人であれば思わずにやりとするような背景設定が濃密で、歴史好きの方には必ず刺さると思います。また、そっけなくも温かい心を持つ主人公・盧武成が歩む旅路で出会う人々との交流には胸に沁みるものがあります。国家の本質とは何か? 人間の帰属意識とは何か? ということを改めて考えさせられる作品です。