螺旋


 最初のうち

 ただ 楽しくて

 生きる実感が 得られるから

 やっていたことが


 いつしか

 それが出来ない自分には

 価値がない


 そんな風に 感じるようになってしまうことがある


 そういう思考の癖は

 きっと 長い時間の中で

 熟成され

 身に染みついてしまうのだろう


 スキナーボックスの

 鼠みたいに


 


 でも 逆の立場で 考えたとき

 想うことを 投げかけるとすれば

 こんなふうだろうか

 

 あなたはもう 既に成し遂げている

 

 それは 私のなかに 刻まれていて

 きっと 色褪せることなく

 むしろ 思い出すたびに

 新しい色を 帯びて 煌めく


 だから 安心して

 あなたが見ている世界を ゆっくりと

 あたらしく 紡いでほしい


 少なくとも 私にとって

 あなたはもう あなたであるだけで

 かけがえがない




 


 ある人は 私にいう

 そのやさしさを 自分のためにつかってと


 私には そのやり方が うまく想像できない

 




 

 ……いや ひとつあった

 物語を書くことだ




 

 

 なんだ 堂々巡りじゃないか





 

 やれやれ






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