夜の手

声無く

涙無く

泣いている


夜の静寂に夜行列車の響きが

青鈍の天に吸い込まれてゆく


いま、

僕の心をかすめて消えた

鋭い線を引いて

切り傷からにじんだ青鈍の靄


身も心も無く泣いている

星の自転に引かれて


僕の手が、

その嗚咽を掴もうとして

窓ガラスに阻まれた


夜は両腕を広げて

地上を抱きしめているのに

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