マッチングアプリで出会った男女が、実は同じ小説投稿サイトの書き手だった。
作風も価値観も真逆な二人が、作品へのコメントやハートをきっかけに、少しずつ距離を縮めていく創作系ラブコメです。
まず、入り口がとても面白いです。
初デートで食の好みやワインの話が合い、いい雰囲気になったところで、まさかの「お互い小説投稿サイトで書いている」と判明する。
しかも、書いているものはまるで正反対。
片方はテンポと読まれやすさを大事にするなろう系、もう片方は言葉の手触りや余韻を大切にする文芸寄り。
この違いが、ただの恋愛の障害ではなく、ふたりの会話や作品そのものを動かしていくのが楽しいです。
ハートをどこまで付けるか。
コメントに何を書くか。
その感想は本音なのか?社交辞令なのか?
投稿サイトを使ったことがある人なら、妙に身に覚えのあるやり取りがたくさん出てきます。
たった一文のコメントなのに、受け取る側は深読みしてしまう。
その感じがとてもリアルで、思わずにやにやしてしまいました。
食事の場面が多いのも魅力でした。
ワイン、スリランカ料理、フレンチ、和食居酒屋。
その場その場の料理やお酒が、ふたりの創作観や距離感を映すものにもなっています。
これは恋なのか、創作バトルなのか、それとも単純にコメント交流なのか。
タイトルの意味を考えながら読むのが楽しい一作でした。