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目次
普通なんだよね
あゆやか
普通でしょ？
普通なんだよね。
ぼく。
親の言うことを聞く。
先生の話を聞く。
みんなの捌け口になる。
ぼくはそう。
生きづらい？
そうかな？
そんなことないと思うけど。
だって、ずっとこの生活だもん。
だからぼくは普通なの。
ね。
そうでしょ？
でも一つだけ、普通じゃないことがあるの。
ぼく、悪口言われてるの。
物を盗られたりするの。
でも、反抗したらもっと意地悪されちゃうからなにもしないよ。
まるでサンドバッグだね。
でも、サンドバッグなら痛くないけど、ぼくは痛いから、サンドバッグにはなれないみたい。
ぼくはまだ死にたくない。
こう思うことは普通かな？
普通でしょ。
そうに決まってるよね。
最近はお母さんも怒ってくるよ。
うちの息子は頭が悪いって。
なんでこんな子になったんだろうって。
怒ってくるよ。
うちってなんだろう。
頭が悪いってなんだろう。
これがいじめなら、ぼくは楽になれるのかな？
これが壊れるってことなら、ぼくはまだ普通でいられるかな？
でも、ぼくは普通なの。
そう、普通なの。
だから、大丈夫。
大丈夫。
意地悪されてお腹にアザができてもね。
お母さんに怒られて、分かんないけど涙が出るのもね。
夜空に三日月が見えるのもね。
全部、普通なの。
ぼくならきっと、大丈夫。
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