モルガン財閥ができるまで J.P.モルガンの生涯

あーりー

第1話 大富豪

世界経済を支配するモルガン財閥はいかにしてつくられたのか。


彼らはどのようにして大富豪になったのか。


すべては、1835年のアメリカから始まった。


アメリカ合衆国の議会。


議員1「すごく重大な情報、教えてあげるか?」


議員2「うん」


議員1「うちらの国、滅びるかも」


議員2「えっ、アメリカが!? なんで?」


議員1「お金がなくて」


議員2「でも、アメリカって、ヨーロッパの投資家からお金をたっぷり借りてるよね?」


議員1「うん」


議員2「だから、お金はあるんじゃないの?」


議員1「でもね、おれ、そのお金ぜんぶ使っちゃったんだ」


議員2「うそぉ、ぜんぶ!? 何に使ったの?」


議員1「鉄道とか、高速道路とか、運河の建設とか」


議員2「まあ、たしかにアメリカの発展に必要なものだけどさ。なにもぜんぶ使わなくたって……」


議員1「ごめんごめん」


議員2「ヨーロッパの投資家への返済期限だって迫ってるんだよ。それなのに、手持ちのお金がないなんて、どうするんだよ?」


議員1「だから、ごめんって」


議員2「なんとか借金の返済を待ってもらえればいいんだけど」


議員1「あ、じゃあ君、ヨーロッパに行って、話をつけてきて」


議員2「え? おれが? いやだよ。説得する自信ないし」


議員1「おれだってイヤだよ」


議員2「じゃあ、商人に頼もう」


議員1「商人?」


議員2「うん。商人なら、こういうお金の話、得意そうでしょ」


議員1「たしかに!」





というわけで…


商人ジョージ・ピーボディが呼び出された。





議員1「ピーボディ君、しっかり頼むよ」


ピーボディ「わかりました。返済を待ってもらえばいいんですね」


議員1「うん。でさ、できれば、もっとお金を借りてきて」


ピーボディ「え、返済を待ってもらうだけじゃなく、さらにお金を引き出してくるんですか?」


議員1「うん。お金はいくらあっても困らないから」


ピーボディ「ふうむ……」


議員1「さすがにそれは無理かな?」


ピーボディ「ふふふ。ご安心ください。僕は不可能を可能にする男です」




彼はこの後、不可能を可能にし、大富豪への道を歩み始める。

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