愛しいシャクナゲ並木道

昼月キオリ

愛しいシャクナゲ並木道

シャクナゲ並木道

オレンジ色に照らされている

夕陽さす温かい時間


あなたに会えた日は

いつもより綺麗に見えた


一人で歩くこの時間が好き

一人で歩くこの道が好き

シャクナゲ並木道に見惚れて足を止める瞬間が好き


アブラゼミ、ひぐらしの鳴き声がする

カラスが一羽、どこかへ飛んでいく


暑さで額に汗が滲む

季節を目一杯胸に入れて息をする

ただそれだけなのに愛しい時間


また会いたいそんな風に

思える人は人生で何人いるの?

きっと両手に収まるくらい


会えて嬉しいそんな風に

思える人は人生で何人出会えるの?

きっと片手に収まるくらい


かけがえのない時間をくれたあなたに

ありがとうと伝えたかった


愛しい時間をくれたあなたに

ありがとうと伝えたかった


言葉を交わさずとも傷が癒える時間をくれたあなたに

ありがとうとただそれだけを伝えたかった


住む街が変わっても

嵐の夜はあなたの無事を祈り

晴れの日はあなたの幸せを祈るでしょう


それが唯一私にできるたった一つのことだから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛しいシャクナゲ並木道 昼月キオリ @bluepiece221b

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ