第2話 食料コソ泥ハイエナ大作戦前編
――――『食料コソ泥ハイエナ大作戦』だ!
え?あまりにも倫理観がない?とても元人間とは思えない?
大丈夫。倫理と道徳は地球においてきた。
とにかく、作戦の内容はこうだ。
1.狩人ゴブリンについていく
2.狩人ゴブリンが獲物を倒す(人任せ)
3.狩人ゴブリンを引き離す
4.獲物を奪ってさっさと逃げる
な、内容が簡潔でわかりやすいだろ。作戦名のとおりだ。やっぱり僕はネーミングセンスがいいな。
そういうわけで、まずは狩人ゴブリンたちについていかなくては行けない。どうしようか。……ま、なんとかなるだろ。
僕はボーッと巣穴の様子を眺める。
……うん?あれは、もしかして。
僕の視線の先には、弓や剣を装備していく屈強なゴブリンたち。狩人ゴブリンだ。
みぃつけちゃった〜みぃちゃったぁ〜
狩りに出るんですよね。分かりますよ。
じゃ、ついていかせていただきますよっと。
僕は狩人ゴブリンたちの後ろに陣取る。
?
あれ、おかしいな。ゴブリンたちがこっちを見つめている。何か不自然だろうか。ただ、知らんゴブリンが後ろに堂々と立ってるだけなのに。
代表と思わしき、最もデカいゴブリンが怪訝そうに僕に語りかける。
「ぐぎゃ。ぐぐぐぎゃーぎゃ。ぐぎゃ?」
ふむ。なるほど。
相変わらず何を言っているのか分からん。とりあえず、何か言ったほうがいい感じだよな。
「ぐーぎゃ!ぐぎゃぐぎゃぎゃ!ぐっぎゃっぎゃっ!」
口からでまかせ。いや、それどころではない。自分でも何をいっているのかは分からない。適当なゴブリン語だ。
僕は周囲の狩人ゴブリンを、自信ありげに見渡す。
なぜかは分からない。だが、彼らは僕に恐れおののき驚愕の表情を見せている。中には、こいつ頭おかしいんじゃないか?とでも言いたげな視線が混じっていた。
「ぐっぎゃ!ぐーぎゃ!」
駄目押しでもっかい言っとく。ちなみに今のは、早く出発しろよと言ったつもりだ。
「ぐぎ。ぐーが。」
代表ゴブリンがこちらに手を差し伸べる。
え、なに?握手?いいよ、してあげる。
代表ゴブリンの手を握ってブンブンと振る。
再び周りのゴブリンが驚愕の表情を見せる。
ん、ほんとに何がしたいんだろ。わからねーな。
……あ、やっと動き始めた。狩りに行くんだな。よし、ついていくぞ!
僕は意気揚々と巣穴を飛び出した。
✾ ✾ ✾
代表ゴブリン視点
我らは誇り高きゴブリン族だ。
この大森林で、狩りをして暮らしている。
今日も狩りをしようと思って準備をしていた時だ。
後ろに
「ぐぎゃ。ぐぐぐぎゃーぎゃ。ぐぎゃ?」
訳:誰だお前は。何をしに我らに近づいた。一体目的はなんだ?
そのゴブリンは、この群れの長たる我の問いかけに動揺もせず答えた。
「ぐーぎゃ!ぐぎゃぐぎゃぎゃ!ぐっぎゃっぎゃっ!」
訳:俺は王だ!貴様のような雑魚とは違う!俺が狩りを手伝ってやるよ!
……驚いた。まさか、我にこのような口をきくとのがこの群れにいたとは。気骨のある若ゴブリンは、ここぞとばかりに我らを見まわし睨みつける。
「ぐっぎゃ!ぐーぎゃ!」
訳:お前らを手伝ってやるって言ってんだ!さっさと行けやカス!
本当に面白い。我にこのような無礼を働く者はそうそう見れない。ならば、その気概に免じて連れて行ってやるのが筋だろう。
「ぐぎ。ぐーが。」
訳:連れて行こう。準備をしろ。
我は、お前は我が臣下だという意味を込めて相手の頭の上に手を出す。
その手を奴はとった。
相手と手を取り合う。それは我らゴブリン族において対等であることを示すもの。
我が臣下扱いしても、まだこの態度。これは逸材だな。本当に王の器かもしれない。
我らは準備を終えると、外へと出て行く。
奴は威風堂々と余裕の表情で我らの後を追っていた。
いったい、どんな狩りになることか……
――――――――――――――――――――
ここまで読んでくださった皆様に感謝!
PVがついているのを見るだけでウキウキしてます!
どうか、これからも読んでください……せめて第一章終わりくらいまでは……。
次回『食料コソ泥ハイエナ大作戦後編』
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