魔力覚醒
「さて、君達に魔法を教えるわけだが魔法を使うには魔力が無きゃいけない。ええとラザス、魔力とは何か分かるか?」
「確かどんな人間でも持っているエネルギーだと聞いたことがあります」
「そう、だが大概はそのエネルギーは使うような機会がないから魔法は一般人には使えない。そして君達にはこれから魔力を使えるように覚醒させる」
「どうするんですか?」
「ふむ、グレン。前に」
「え?俺?」
グレンが立ち上がりブラウンの前に立つ。
「魔法の生みの親と呼ばれるマールは魔力を覚醒させるのに夢の世界で池を作ったらしい。ただその方法は時間がかかる、通常1年次は魔力を覚醒させるのに1ヶ月間たっぷり使うわけだ。そんなことを今から全員にやったって間に合わないから今回は魔力を無理やり引き出す」
ブラウンはグレンの手を握り、
「雷魔【サンダーフォース・ハンド】」
電撃を流した。
「うわっ!!何すんだよ先生!?」
グレンは思わず手を振りほどいた。
「落ち着け、加減はしているから死なん。んで今みたいに魔法を使って対象の魔力がこれに反応した所で」
ブラウンはグレンの腹を殴った。
「渇を入れる。」
「うぐっ!」
殴られたグレンは腹を押さえてうずくまる。
「要は池を自分の意志で作るか他人によって沸き上がらせるかの違いだ」
「あ、あれ?先生、何も変わってない気がするんだけど?」
立ち上がったグレンは首をかしげる。
「当たり前だ。魔力を覚醒させたってのはつまり人間に元よりあったエネルギーを使えるようにしたという事だからな、変化はあまり感じないだろう」
「そんなもんなのか…」
「そして今やったのはあくまでも例外だからな、次は一気にやる。雷魔【サンダーウィップ】」
ブラウンの手から雷の鞭が放たれ、生徒達を文字通り鞭打つ。そしてブラウンは生徒一人一人を殴って回った。
「人に何かを教えている光景からかけ離れてるな…」
一番初めに被害を受けたグレンはそう呟いた。
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