202507XX
どう書こう?
目をつむって手を添えて考える。瞼を閉じれば、色んな思い出たちが瞼の裏のスクリーンに映し出されて、私の体に、私の心に訴えている。その一つ一つの思い出たちに確かに私の気持ちは存在していて、行動の源になっていると思う。だからこそ、何を考え、何を感じ、何を思ったのか記そう。一方通行の文章に物語というエッセンスを一滴たらして、誰かに届いたら嬉しいな、そういう想いを込めて書いています。
何を想う?
私という不器用な人が生きた証に、私という不器用な人が歩いた道に、何が転がっていて、何を想い、何を拾い、何を捨てたのか、そんな気持ちを物語に込めていきたいと素直に想っています。私とは、生きるとは、強さとは、スマートに伝えられたら、それはとても素敵な言葉なのかもしれない。でも、物語でしか感じられない、流れだとか情緒だとか一縷の光だとかがきっとあるはず。何を隠そう、私自身が闇に飲まれ、自分の命さえもぞんざいに扱っていたときに、物語に救われた一人なのだから。何も同じような人を救えると思ってはいない。それは傲慢と呼ぶべきものであろう。それでも物語に救ってもらったこの命を、この人生を、この時間を、この気持ちを記して、誰かの、何かの、きっかけになれたのなら本望であると。必ずしもいい方向に行くとは限らないこの人生で、感じたこと、体験したことを一つ一つ並べて、言葉を紡いで誰とも知らない、今読んでいただいているあなたに届ける。もちろん、いらないと捨てるのもいい、でも、どこか刺さって、何か変えてみよう、何か信じてみよう、そう思って生きることができたら、きっと明日、ううん、今この瞬間から素敵な日々、時間になると私は想っています。
どう紡ごう?
一つの気持ちを、パンの発酵のようにゆっくりと時間をかけて膨らませていきたい。色んな気持ちを色々な方法で練りこんで膨らませていって、色んな物語で、色んな表現で、色んな言葉で紡ぎたい。一つの気持ちはそんな簡単なものじゃない。それは私であっても、読んでくださっている方も、まだ知らぬ方もきっとそう。私には私なりの、あなたにはあなたなりの感じ方があって、気持ちが芽生えるというもの。共感できたり、反発したり、色々な反応があっていい、その一つ一つの気持ちを、大切に、しっかりと磨き上げていこうと。もちろん、短いお話一つでも、長いお話でも同じように、私の記憶、私の人格、私の感情を織り交ぜて、全く違うものに見せられたら、とても魅力的なお話になると信じて、一言一言を紡ぎ続ける。人がいるだけ、物語はあり、星の数だけ人を導く燈になると想うから。
何を願う?
見てほしい。そんな純粋な願いはあれど、一番は読んだ人の心にどんな形であれ、燈となり暖かく照らす物語を書きたい。心温まるものだと一番嬉しいし、作家としてこの上ない僥倖なことだけれど、反発してカッと心が熱くなってもいい。これが私の物語に対する人生を賭けた恩返しだと思っています。もちろん、小説が書きたくてもどうしても今、この瞬間を生きるために時間がないだとか、どうしようもなく自分の書きたい文章を抑え込んで文字を紡がないといけないことだってあるだろう。さらにスケールを大きくすれば、これから先、生きていれば闇に飲まれた時以上に泥沼にハマって、風前の灯になることだってあるかもしれない。それでも生き抜いて、物語を紡ぐ人でありたい。私という人格が、私という気持ちが、綺麗に出せる場所だから。だからこそ、私の物語や文章をキライって思う人もいると思う。それでいいんです。それが読んだあなたの素直な感想であり、私が書きたかった物語がここにある。それだけなのだから。
なぜ今?
私という人も大きな節目を迎えて、荒波に揉まれ、大航海をしながらようやく一つの場所にたどり着いた。そして、ここからまた長くて先の見えないくらい広い大海原に出て、まだ見ぬ宝石を探しに行っています。そんな中で、私の書きたい物語、私の書きたい文章、私の書きたい言葉がとりとめもなく溢れています。気づけば捏ねていないパンの生地がたくさん産まれていて、メモという冷蔵庫を見返して整理していると輝いているものたちばかり。もうウズウズして、居ても立ってもいられないない。そんな今だからこそ、書ける時間を作って物語を紡いでいこう。そういう時期なのであると。楽しい記憶や嬉しい気持ちばかりじゃなく、苦しい記憶や悲しい気持ち、悔しい経験や酸っぱい気持ちを一つ一つ分けて、時には合わせて、私らしく言葉を紡いで物語を創りたい。そんな気持ちで満たされているからこそ今なのです。
あなたへ
全てにおいていい!と思ってほしいわけではないです。こういう出来事もあったんだ、こういう想いもあったんだ、こういう考えもあったんだ、と。今まででもいい、これから先でもいい、もちろん今、現在でも。何かのきっかけになれたら嬉しいです。私が本当に自分の物語たちを誇れるものだと思えるのは、きっとこの世から消えて空から見ている時かもしれない。だって、今ではなくこれから先が、私の書いた物語を、紡いだ言葉をきっかけに、誰かが、何かが、変わっていって、よりよい日々を過ごしてくれた人がいたのなら、宝石のように輝く宝物だと思うから。
こんな戯言を一つ挟んでみました。お付き合いありがとうございます。
このタイミングでなぜ書くのかを素直な気持ちで書いておきたかったのです。
また何かの節目で書きたいなと思います。それまではごゆるりと物語たちに触れてみてください。それでは、また。
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