楽中日記

天柱樹

第2話 Dry son

皆さんはお子さんはおられますか?


私は子持ちですが、中国にはそれとは別に「干儿子」がおります。題名のDry sonとはその直訳。そんな英語があるのかどうか知らんが。


正確に言うと、うちの奥さんが頼み込まれて友人の子供の「干妈妈」(Dry mother、これも直訳ね)になったために、自動的には私が「干爸爸」(もう直訳いらんやろ)になったもの。


日本語で言うと何でしょうか、まず「義理の息子」ではない。血が繋がってないことは同じですが、縁戚関係がある訳ではない。一緒に住んでいる訳じゃないので「里子」でもない。敢えて言えば「義兄弟」の親子版といえば分かりやすいか。


その友人は占ってもらったか、干支の相性かの理由で、どうも自分の息子にはそう言う存在が必要だと信じていたらしく、うちの奥さんが人格ともに条件ぴったりだったため、迷わずに強く頼み込まれたのを止むなく承諾したみたい。


お陰様で定期的に会える家族のような存在が増えて楽しい。別に契約書とか契りを交わした訳じゃないんです。そうだ、と決めたその時から、まるで一族のような付き合いが始まったんですね。非常に不思議なり。


さてここで気になるのが「干」の意味ですよね(私だけかもしれんが)。これ日本の漢字だと「乾」の方ですが、意味としては「渇く、水気のない、Dry」になるけど、これって血の繋がりの無いことを指してると考えると、とてもSexyな言い方だと思いませんか? 僕は思います(キッパリ)。


今まで他にこの「干」を使った単語で覚えているのが「干股」ですね。安心して下さい。「ご無沙汰な人」を指している訳ではありません。これはですね、「お金を投資せずに譲られた株式」のことを指します。お金を投資して得た株はもちろん「湿股」(これボケるにはリスキー)です。通常、前者には議決権の無いことが多い。お金の動きをWet/Dryで表すこの感性、どうです、Sexyでしょ?


それでは機会があれば皆さんも中国でDry familyを探してみては如何でしょうか。

此致,敬礼,再会。

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