アオに侵食されたあのコ

神狐

Prologue ハジマリのあの日

その日は雲一つない澄んだアオイロをした快晴の秋の涼しい日だった。

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「~~♪」

「...なんか、すごいご機嫌だね?」

「そりゃーね!」

「なんで?」

「言わなーい」


僕、神白琥珀かみしろこはくは幼馴染の天獄狐てんごくきつねと二人きりで一緒に買物をしている。ら◯ぽーとで。

そう!つまり、限りなくデートに近い状態なのだ!そして皆さんおわかりのように僕は彼女が好きだ。しかし、彼女が好きな人は性別関わらず沢山いる。

そんな彼ら彼女らを出し抜き僕は彼女との(疑似)デートをしたのだ!

そりゃぁ機嫌が良くなるよ。


とまぁ、くだらないことを考えていると狐に異変が起きた。


「うグッ...ハァハァ」

「どうしたの?」

「ハァハァ...ふぅ」


急に彼女が苦しみ始めたのだ。背中を擦って休憩していると、一分ほどで彼女は顔を上げた。

が、


「...え?」


と、呟いてしまうほど彼女の容姿の一部が変わっていた。

正確に言うと眼が変わっていた。

狐はとんでもない美人だといっても純日本人なので黒髪黒目の日本風美人だ。

なのに...なのに眼の色があの空みたいに澄んで明るいが、深海みたいな暗いアオイロな眼になっている。

じっと見つめていたいのに早く眼を離したい、そんな神秘さがある眼だ。

常にそばに置きたくて狐の眼に向けて手を伸ばし、


「どうしたの?」

「はっ!?」


僕はナニをしようとしていたんだ?

...そうだ、僕ハ狐の眼が欲しかったんダ。

あァ、そうだ僕は欲しインダ。欲シイ、欲シイ、ホシイホシイホシイ!

そろそろ狂気に陥りそうだなと、僕の最後の冷静で正気な部分がそんなことを考えていると


「大丈夫?」


と声をかけてくれた。

その瞬間、狂った感情が収まった。一体ナニが起きているのだろうかともう一度狐を眺めていると、段々と髪色も眼と同じような色になってきているのがわかる。

そしてやっぱり彼女のことを見ていると狂いそうになるのだ。

本当に一体ナニが起きているのだろか...?

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アオに侵食されたあのコ 神狐 @oritahitomi

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