第13話 幸せな事

4月中旬、私はふと思った。自分の幸せなことってなんだろうと、突拍子もなく思いついたことだけど実際わからない。それはそうだけど……。

 私は親の元で学校に通って、部活にも行って更にはアルバイトもしていた。振り返ってみると多忙だと思った。あ、家事もしていたな……。

 それに比べて今は、麗杜君が家出した私を引き取ってくれて衣食住も確保してくれた。そして、親との縁も切ってくれて結婚もしてくれた。早いことながら彼は高校生での学生結婚になってしまったが、彼はそれでも嬉しいと言ってくれている。本当に彼には頭が上がらない。

 本音は麗杜君が我慢していないかが心配だ。私と結婚したことによって不自由なこともでてきていると思う。私からはまだ聞けていないけど…今日、帰ってきてから聞いてみようかな?

 夕方

「おかえり、麗杜君…」

「ただいま、智華さん」

「あ、あのっ!、お風呂沸いているから入ってきて…」

「うん…わかった…」

(なんか、智華さんの様子…変だな?)

 私…!何やっちゃてるんだろ〜!!!

この時の私の様子はおかしかっただろう。よし!座って麗杜君が出てくるのを待とう。

「お、お待たせ…?どうしたの?何かあった?」

 やっぱり、心配させちゃってる〜!

「あ、あの…ね、麗杜君が我慢してないかなって今日思って、」

「「…」」

 お互いに少しの間黙ってしまった。そして、麗杜君が口を開いた。

「…逆に智華さんは我慢してない?」

「ううん、私は我慢してないよ、むしろ今の生活で満足してるよ、それはそうと麗杜君こそ無理とかしてない?」

「俺は…大丈夫だよ」

 何か麗杜君は濁した気がする。

「ねぇ、何か隠してるでしょ、はっきり言ってよ」

「何も…隠してないよ」

「嘘ついてるよ、君のその反応…嘘ついてるときの反応だから、わかるよア私だって君との仲は決して短くないから」

「そ、それは…」

 麗杜君は話してくれた。

「俺は正直、今の生活に不満はないよ、智華さんが家事をしてくれているから、でも一つだけ言うなら…」

 そう言った麗杜君は顔を赤らめて言った。

「もう少し…俺に甘えてくれ」

「……え?」

 え、もっと重たいことかと思ったのに意外と軽くて拍子抜けしてしまった。

「どうしたの?」

「ううん、なんでもない」

「俺はね、もっと智華さんに甘えてほしい。智華さんは俺に助けられて、色々遠慮がちだと思うけど俺にもっと頼ってほしい。」

「う、うん…ごめんね、今度から君に甘えるようにするね」

「うん、よろしく智華さん」

 こうして、私達の中では隠し事はしないということや遠慮をしないということも同時に決め、喧嘩しそうになったらお互いに」話すと決めた。これで私達の夫婦仲は更に良くなったと思う。

 私達は遠慮しない。だから、これからは夫婦生活も遠慮はしなくてもいいんだ。

「どうしたの?智華さん、嬉しそうだけど」

「ううん、なんでもない」

 私達はいつでも夫婦だから」

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