コバルトブルーに愛情を

アブクマ

記憶

1945年4月7日、坊ノ岬沖――


「急げェッ!!」

「さっさと撃ち落とせよォ!! 敵は待っちゃくれんぞッ!!」

「また左舷に当たったぞッ!!」

「大和型の最後の悪あがき……食らってみろやァ!!」


爆風と炎の中で、鉄と血と誇りが入り乱れる。

だが、誰一人として――引く者はいなかった。


しかし、運命は残酷だ。


「Die, you motherfucker.」


敵機から吐き捨てられた英語の罵声。

そして、一本の魚雷が――またしても左舷にぶち当たった。


爆音。

振動。

瞬時に押し寄せる衝撃波が艦内を叩き潰す。

誰かの身体が吹き飛び、誰かの叫びがかき消される。


「左舷浸水ッ!! 傾斜止まりませんッ!!」


鋼鉄の巨艦が、軋みながら、確かに――沈み始めていた

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