妖狐様は恋愛をご所望です

桜葉奈義

プロローグ

第1話

サイレンの音と共に放送が響く。

「緊急!緊急!Dの185番地区!三年は出動せよ!」

廊下からバタバタと足音が騒がしい。

「最近やたら多いわね」

「ほんと〜…」

「私、このサイレンの音がちょっとトラウマになってきてるのよねぇ」

女子たちがヒソヒソと話す。


「こら、静かにしなさい!授業中だぞ。…っておーい!起きろ!椚!椚宝華!!」

「ん〜……?むにゃ…むにゃ……」

宝華は夢の世界へ入っていた。

「はぁ〜…あとで職員室に来るように…」





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