第9話 外伝③ 「美波の視点」
──残された者の記憶
町が崩れ、雪がすべてを覆い尽くした後も、
私はここにいた。
記憶の氷に閉じ込められた人々の声が、静かに響いていた。
誰かが遠くで呼ぶ。
誰かが泣いている。
私は彼らの声を集め、風に乗せて伝え続けた。
忘れられた者たちの願いを、少しでも届くように。
この町はもう、形を持たない。
しかし、ここにある“記憶”だけは消えない。
私はもう一度、あなたたちに伝えたい。
「忘れないで」
それが、残された者の唯一の使命だった。
――終わり。
三態の水 からし @KARSHI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます