孤島サバイバル:女たちから逃げろ
パンチ☆太郎
序章
第一話 孤島への招待
蒸し暑い風が、港の岸壁を吹き抜けていく。
そこに集まった男たちは皆、どこか陰のある表情をしていた。
年齢も職業もバラバラだが、共通点がひとつだけある。
「女にもモテず、金もない」――その絶望が、彼らをここに呼び寄せたのだ。
「本当に来てしまったか……」
背の低い男、佐藤は腕組みをして呟いた。
横に立つ長身の男、タケシは鼻で笑う。
「くだらねえ。こんなゲーム、俺にゃ関係ねえよ」
そう言いながらも、彼の目はぎらついていた。賞金のことを考えているのだ。
周囲を見ると、他の男たちも皆似たような表情だった。
期待と不安が入り混じり、じっと海を見つめている。
すると、岸壁の向こうから女性スタッフが現れた。
全員の視線が彼女に注がれる。
「みなさん、お集まりいただきありがとうございます」
彼女は冷たい声で言った。
「このゲームのルールはただ一つ。『女たち』から6時間逃げ切ること。成功すれば賞金は1000万円。失敗すれば賞金はゼロ。さらに捕まった場合、……罰ゲームがあります」
男たちの顔が一瞬で硬くなる。
その罰ゲームの内容までは誰も知らなかったが、空気は一気に重くなった。
「船が出ます。準備してください」
男たちは無言のまま、狭い船に乗り込む。
背後でスタッフの女性が冷たく言った。
「楽しんでくださいね」
船が岸を離れ、波が男たちの決意を揺らすように揺れていた。
孤島への旅が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます