最弱のスライムに転生したのですがスキル《変幻自在》で最強です
冥焉
本編
第1話 プロローグ その名は《変幻自在》
――何もない空間だった。
色も音も、熱も風も存在しない。
漂うのは、ただひとつの“魂”。
彼は死んだ。
原因はよくある交通事故。平凡な人生の終わりは、呆気ないものだった。
だが、その魂は消えなかった。
「選ばれました。あなたの魂は、“変化”に適応している」
誰かの声が響いた。
性別も年齢も分からない。不思議と、怒りも悲しみも湧いてこない。ただ、静かに耳を傾けた。
「あなたには、《変幻自在》のスキルを授けます」
「その力をもって、新たな世界に存在してください」
言葉と共に、何かが“流れ込む”感覚があった。
情報ではない、概念でもない。
ただ一つの確信――
「変われる」
それだけが胸に残った。
次の瞬間、視界が開ける。
世界は眩しく、生命に満ちていた。
地面、風、森のざわめき。
その全てが、新鮮で、どこか懐かしい。
そして気づく。
自分の体は、透明で、ぷよぷよしていて――
そう、彼はスライムとして転生していた。
最弱の魔物。
魔法にも耐性はなく、武器には一撃で砕かれる、そんな存在。
だが、彼には《変幻自在》があった。
それは、姿かたちを思いのままに変えられる、唯一無二の能力。
人は彼を“魔物”と恐れるだろう。
学園は彼を“異端”と扱うだろう。
そして神すら、彼を“正しく鑑定できない”。
だが、それこそが、彼の力だ。
――変幻自在。
――唯一無二。
これは、最弱として始まった一つの魂が、
変化を繰り返しながら、最強へと至る物語である。
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