第12話 優しい人

【注意】人の死に関する表現あります



"優しい人は損をする"

何て言葉がある世の中が

どうかしてると思う



母方のお婆ちゃんの家の裏には

新しめのマンションがあり

その敷地内には小さな公園があり

ブランコが２つあった


私と妹 いとこ2人

4人で遊んでいた

まぁ…子供が集まればやかましい


ふとマンションの階段を見ると

10階の踊り場からこちらを

じっと見ている人がいた


とっさに

住人じゃないところの子が

ギャーギャー言って遊んでるから

怒られるのではないか…！

そう思った私は

「そろそろ3時だから、

おやつ食べに帰ろ！」と

みんなをお菓子でつり 家に帰った





おやつを食べ終わり

また公園で遊びたいと言われ

乗り気じゃないが行く事になった




結果 公園には行けなかった



警察官2人がシートにおおわれた前で

何やら話していて

こちらに気づくと追い払われた


後日飛び降り自殺を知った




いまだに思ってしまう




子供に

自分の死に目を見せないように

帰るまで飛び降りるのを待ってくれた

優しい人が

死ななきゃいけない世の中がおかしいと


(たまに 私が帰らなければ

死ぬタイミング逃して

生きていたのではないかとも思う)


そこから不思議に思うことも

疑問に思うことも

ピタリとなくなった


第12話完







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る