新たなキャンパス、変わらぬ想い

春風が柔らかく大学のキャンパスを撫でていた。満開の桜の花びらが、優しく空から舞い降りる。新入生や新学年の学生たちが入り混じる広場では、笑顔と期待に満ちた声が響いている。

僕、インクはその中にいた。県外の進学校を卒業し、夢を追いかけるため、この大学に入学した。胸の高鳴りと少しの緊張を抱えながら、新しい環境に一歩踏み出した。


「インク先輩……?」


その声は、まるで春の風のように僕の心を揺らした。振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。彼女、ミリアム。かつて同じ学園で過ごし、離れてからもずっと繋がっていた存在だ。


彼女の目は僕を見つめ、やわらかな笑みを浮かべていた。


「ミリアム……久しぶりだね。」


「本当にね。こうしてまた会えるなんて、夢みたい。」


僕たちは自然に近づき、春のキャンパスを歩き始めた。桜の花びらが舞う道を、並んで歩く時間は、まるで時が止まったようだった。


「大学生活、どう?」


「まだ慣れないことも多いけど、楽しいよ。授業も部活も新しい友達もできて。何より、ミリアムとこうして一緒にいられるのが嬉しい。」


「私もだよ。離れていた時間は寂しかったけど、今は一緒にいられるから頑張れる。」


僕たちは笑い合い、時には真剣に将来の話をした。夢や目標、これからやりたいこと。話は尽きなかった。


放課後、学食のテーブルで僕たちは向かい合って座っていた。外の夕陽が窓から差し込み、暖かい光が二人を包んでいる。


「これからの毎日が楽しみだね。」


「うん。君と一緒なら、どんなことも乗り越えられる気がする。」


ミリアムの言葉に僕は深く頷いた。どんな困難も、どんな未来も、二人なら怖くないと思えた。


授業の合間、図書館での静かな時間、キャンパスのあちこちで交わされる笑顔と会話。僕たちはそれぞれの時間を大切にしながら、確かな絆で結ばれていた。


「ねぇ、インク先輩。」


「なんだい?」


「これからもずっと、一緒にいてくれる?」


「もちろんだよ。ずっと君のそばにいる。」


そう約束し、僕たちは未来へと歩みを進めた。


大学の新生活は忙しい。授業、課題、サークル活動。慣れない環境の中でも、ミリアムと一緒なら安心だった。僕たちは支え合い、笑い合い、共に成長していった。

「インク先輩、今日は一緒に図書館で勉強しない?」


「いいね。君となら頑張れる気がする。」


そう言って僕は彼女の隣に座った。静かな空間の中、時折交わす言葉が心地よく響いた。


ある日の放課後、キャンパスの芝生の上で、僕たちは未来の話をした。


「卒業したら、どうしようか?」


「どこにいても、ずっと一緒だよね?」


「うん。どんな場所でも、君となら幸せだ。」


ミリアムの瞳は真っ直ぐで、その輝きは僕の胸に強く刻まれた。


僕たちの大学生活は始まったばかり。これからもずっと、変わらない想いで歩み続ける。




次回予告「二人だけのキャンパスライフ」

新たな環境で始まる大学生活。

先輩と後輩としての距離は、恋人としての温もりに変わる。

毎日が新しい発見と笑顔で満ちている。

試練はない。ただ純粋に、二人の時間が紡がれていく。

彼らの未来は、まだまだ輝いている――。


次回、第27話「輝く日々と静かな約束」

二人の絆が深まり、未来へとつながる日々を描く。

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