【苦労】わざわざする苦労は良くない、仕方ない苦労は良い

晋子(しんこ)@思想家・哲学者

苦労と成功の関連について

人はよく「苦労は報われる」と言う。

学校でも、職場でも、SNSでも、どこでもこの言葉は耳にする。まるでそれが人生の真理かのように、誰もが口にする。


でも、本当にそうだろうか?


僕は、苦労が報われるとは限らないと思う。むしろ、報われない苦労の方が多いのではないかと思うことさえある。努力を重ねても結果が出ない。真面目に生きても報われない。そんな現実を何度も見てきた。


しかし、だからといって「苦労なんてしなくていい」とも思わない。


なぜなら、報われた人たちの多くは、やはりそれなりの苦労をしてきているからだ。

確かに、苦労がすべてを救うわけではない。けれど、苦労をまったくしないで得られる成功は、極めてまれだ。宝くじに当たるようなもので、再現性がない。


だから僕は思う。

「苦労は報われるとは限らない。でも、報われる人はだいたい苦労している」

この視点が、実は現実的なんじゃないかと。


苦労とは、人生の中で避けられない部分だ。楽をして生きていければどれだけ良いかと思うけれど、現実には思い通りにならないことがたくさんある。そういう困難と向き合わなければならない局面は、誰にだって訪れる。


だからこそ、「苦労は仕方ない」と受け入れる姿勢は大切だと思う。

「なぜ自分ばかり」「こんなはずじゃなかった」と嘆いても、現実は変わらない。だったら、その苦労を「自分の糧」にしていく方が前向きだ。


…とはいえ、ここでひとつ気をつけなければならないことがある。


それは、「わざと苦労しようとしないこと」だ。


苦労をすることが美徳のように語られる社会では、「苦労しなきゃダメだ」と思い込んで、自ら苦しみに飛び込んでしまう人がいる。必要以上に我慢をしたり、自分を追い込んだり、回り道ばかり選んだり。そういう苦労は、むしろ成功から遠ざかることすらある。


苦労は必要だ。だが、それは「必要なときに、必要な分だけ」でいい。


わざわざ無駄な苦労をすることはない。

やらなくていい我慢を美化して、自分の可能性を潰す必要なんてない。効率的に進める道があるなら、そっちを選べばいい。無理をすることと努力をすることは、似ているようでまったく違う。


僕らにとって本当に大切なのは、「正しい方向に向けた苦労」を選び取ることだ。


人生には確かに、避けられない苦労がある。

でもそれは、試練として与えられたものというよりも、「成長するための材料」だと思う。

苦労とは、使い方次第で、人生を強く、深く、豊かにする栄養になる。


無理をする必要はない。

でも、楽をしすぎても自分は成長しない。


その中間を見つけるのが、人間の知恵であり、成熟なのだと思う。



以上

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