『ある閉ざされた冬の教室で』

叙述トリックと大きく銘打たれ、「これは挑戦状だな」と息巻いて読書開始。
二文目で視点が定まらないことに首を傾げ、「先輩方」の三文字で確信しました。
語り=第三の人物というパターンは、どうしても踏み込んだ表現ができず、内容が薄くなってしまいがちです。その点、学生同士であれば互いに知った仲であるため、人物描写は捗ったではないでしょうか。

アイスクリームの行方も、日常の謎の基本である事情・行動・結果を押さえていて説得力があります。