第7話 REAL、世界へ

《グランドフィールドフェス》


ファジーロックでの彼らのパフォーマンスが話題になり、グランドフィールドフェスから招待状が。



【グランドフィールドフェスでのREAL experience伝説回】


世界最大の音楽フェス「グランドフィールドフェス」。

朝イチの枠に突如組み込まれたのは、日本から来た無名バンド——REAL experience。


ステージに現れたのは、ウサ耳フードに葵高ジャージの少女・ミサキ。

ミサキ「みんな〜♡ 今日は来てくれてありがと〜♪」

客席では、

ヒョンセー、アギル、ミセス・カガ、ビリー・パンキッシュ、ディア・ネパール

世界の歌姫たちが腕を組み、怪訝そうに目を細めて様子を見ていた。



🎶【ライブ開始】


最初の一曲は、アイドル風のキラキラポップ。

ミサキ「だ〜いすきっ♪ その笑顔〜っ♪」


— 会場、静まり返る。

— 世界の歌姫たち、視線すら向けず。


ヒョンセー「…ふ〜ん、ジャパニーズ・カワイイね」

カガ「アニメキャラの方が戦闘力ありそうね」

ビリー「大手SNSで見た気がする」

ディア「まあ、朝の枠だしね」



【豹変、そして覚醒】


だが、2曲目——イントロが変わった瞬間、会場の空気が変わった。 

問題作、“ガリガリ君はソーダ味に限る”だ。


「だらああああああああっ!」


———「チョコとか梨とか季節限定!!でも結局!!」

「ソーダァァァァア!!!」

「ガリガリィィィ!!」

「君ィィィィィィィィィ!!」


間奏でミサキが吼える。

「おいコラァアア!!」

「その四角いモンでウチ見るなやッ!!ちゃーんと自分の目ん玉で見らんか、ボケが!!」

「心ぇで聴かんとぶっくらかすぞコラァ!!」

数千人が手にしていたスマホが、一斉に下がる。


シャウト。絶叫。鬼のような静岡弁。

萌えキャラからのギャップが暴風となって会場を貫いた。

観客「ヒエエエエ!!なんで怒ってるの!?でも気持ちいいー!!」



【世界の歌姫たち、崩壊】


アギル:スケッチブックを破りながら号泣。「私は…感情の“演技”をしてただけだった…!」


カガ:ステージに駆け上がろうとするも、スタッフに羽交い締め。「私もああなりたい!自我を捨てて叫びたい!!!」


ヒョンセー:観客席で土下座。「世界の女王なんて名乗ってた自分を殴りたい…!」


ビリー・パンキッシュ:グッズ売り場でミサキのTシャツ全サイズを購入。

「このバンド、帰国させないで。ずっとUKにいて…!」


ディア・ネパール:うわ言のように。「もはや“歌姫”という概念自体、古い…」



【ハジメと世界の前橋】


ステージ袖でライブを見ていたのは、ジャパメタ界のギター神・世界の前橋。

ハジメのギターソロに、震えが止まらなくなる。


「なんやこの…音の“重力”は…!?」


曲終わり、楽屋に走り込んで土下座。


「お願いです!!弟子にしてください!!全てを学びたい!!!」

ハジメ、メガネをクイッと上げて一言。

「……ギターは、速弾きオリンピックじゃねぇよ」


前橋「……ウッ……(ポロッ)」

→ 正座で嗚咽。

→ スタッフが毛布をそっとかけてあげる。



【カナメ、チャン・シミズと友情育む】


ドラムのカナメ、バックステージでチャン・シミズ(Boiled Night Peppers)と遭遇。


チャン「お前のスネア、地面割ってたぞ」

カナメ「アンタのタム、恐竜起きてたぞ」

握手、からの即・友情成立。


チャン「今日からお前は“弟”だ」


そのままステージ裏で即興セッション → 観客にバレて小さくバズる。



【ユウジとフリードのベース対話】


ベースのユウジは、憧れのフリード(Boiled Night Peppers)と遭遇。


フリード「なぁ、お前のその腰の動き、なんなんだ?」


ユウジ「え? いや、ただフィーリングで…」


フリード「フィーリングだけで…その腰の動き…?只者ではないな。。」

2人、ベース談義に花が咲きすぎてベースの弦が全部切れる。


ユウジ「全部切れると案外サッパリしますね」フリード「‥‥。」



【グランドフィールドフェス伝説、ここに刻まれる】


翌日、SNSは世界規模で爆発。

ハッシュタグ「#REAL_experience」「#静岡弁シャウト」が世界トレンド1位に。


そしてあの女王陛下からの公式メッセージ:

「あなたがたの音楽は、我が国の文化財に認定したいレベルです。一度、バブルガム宮殿でご一緒にお茶を…」

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