【完結】はざまの第7世界

片霧 晴


「ねえ、此処はどこなの?」

「さあ、どこだろうね」


「あなたは誰なの?」

「さあ、誰だろうね」


「ちょっと。ふざけてるの?」

「ふざけてなんかいないさ。それじゃあ聞くけど、きみは一体誰なんだい?」


「わたし? わたしは、えっと───」

「ほら、答えられないだろう? 僕も答えられない。それでいいじゃないか」


「いいのかしら」

「良いに決まっている。誰がだめだと言うんだい? 此処にはきみと僕しかいないというのに」


「そう、そうね。それもそうだったわね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る