第24話「クローニャの洗脳」
「魔恋皇帝……」
「落ち着いて、そなたの名前は分からないけど、余は戦いに来たのではない。全ては四天王の一人クローニャから聞いた。クローニャは必死に隠してたらしいが、まさか余に内緒で軍を動かして異世界を攻撃し、侵略してるとは思わなかった。まずは、その謝罪をさせてほしい」
魔恋皇帝ネロス。真紅のドレスに身を包んだお姫様のような人物、頭には
髪は綺麗な白髪で腰まで伸びていて、大人のような姿だが顔に幼さを感じるギャップを感じる。
❤︎
ーー数日前。
「クローニャ、クローニャは居るか?」
どこから話せば良いのか、余がマヌケだっただけかもしれないが、余は元々自分の
しかし、四天王全員から信頼されてなかったのだな。
まさか、余に内緒で聖女なるものを探して、あまつさえ、クローニャの洗脳魔術で余を拘束していたとは。
「はいはい! ネロス様の愛猫クローニャ! ここにおりますにゃ!」
クローニャは猫の獣人で催眠、洗脳のエキスパートじゃ。
余が魔恋皇帝とは言え、まさかずっとクローニャに洗脳されていたとは、自分でも驚いておる。
「カギリ、ニリス、ランザクはいつ戻って来る? 三人は
「え、えーとそれは、たぶん現地の人達と仲良くなってるからだと思いますにゃ」
「そうか、我が臣下を疑うわけではないが、まさか他国を攻撃したり、あるいは異なる世界に侵略したりなど、そんな野蛮な事をあの三人がするわけないよな?」
「うぐ、は、はい! してないです! 三人とも元気にやってます!」
「クローニャよ、そなたを疑うのは良くないのは分かってるが、余にかけてる洗脳を解除してくれないか?」
「い、いえいえ、ネロス様は世界の救世主になってからも狂愛に苦しんでるではないですか! クローニャがここに居るのは、ネロス様の精神を安定させる為なのですにゃ!」
「しかしだな、もう嘘はやめろ。三人が慰安旅行で何年も帰って来ない時点でおかしいし、余が疑問を抱いた時点でクローニャの洗脳が弱くなってる証拠じゃろ?」
「あ、あのー、怒らないと、約束してくれますか?」
「そうだな、真相にもよるが、三人が問題を起こしてるなら、クローニャも共犯者として罰する」
「ひ、ひぇー! お許しをー!」
❤︎
「と、そんな感じで余はここまで来たのだ。魔法少女達よ、よく聞くが良い。我々モンスターは今後は侵略行為をしないと誓う。そして、こちらの世界で捕らえた女の子達は全員解放すると約束する」
ネロスの主張を聞いても、まだ四人の魔法少女は変身を解除できなかった。
ネロスに戦う意志が無いのは分かるが、明らかにランザク以上の強敵だと本能で理解してたからだ。
このまま和平交渉が上手くいくことを願うしかない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます