第15話 故郷の月、現在の私への応援コメント
暁月さんの主人公の登場人物の心理表現描写などがとても好きで、じっくり読ませていただいています。
個人的な話で恐縮なのですが、私は家族というものは、大体子供が社会人になって家を離れる可能性がある二十歳前後くらいまでに、何か共通の、共に笑ったり泣いたりできる、感情を隠さない関係性や、強烈にお互いを結び付ける大好きな同じ趣味とかが無い限り、そこから人生が終わるまで疎遠な家族関係になって終わることだって十分にあると思っていて、
もしそうなりたくないのなら、子供が二十歳ほどになるまでに躊躇いなく共に喜怒哀楽を表現出来る関係性を作り上げておかなければならないものだ、ということを自分の中の決め事として、一つの考えとして持っていました。
でも藍は別に家族と関係が破綻していたわけではないですが、非常に生きる為に表現しなければならない部分まで、上手く家族に表現も出来ないようになっていたので、新天地で自分を知らなかった人に心を新たに開くことが出来ても、過去を知る人たちにはちょっと難しいのかななどとも思っていました。
帰省は一つの山場になるかな……と思ったのですが、ちゃんと今まで言えなかった自分ごと帰省し、変化した自分のことを正直に話すことが出来て、本当に良かったな……!! と思いました。
自分のことが分かるということは、とても強い、勇気になると私も思っていて、
多分藍が強く明るい思考になれたのは「自分というのがどういう人間なのか」と落ち着いた心で捉えて、受け入れることが出来たからなのだと思います。
変わりたいと真摯に願えば、家族の形も何歳になろうと、何年疎遠になろうと、変えることが出来るのかもしれないとこのエピソードで一つの希望が描かれていて、とても素敵でした!
第6話 侵食する影と、ささやかな光への応援コメント
自分を信じたい気持ちと、自分の真価を疑う、両方の気持ちを持った主人公が、全く違う新天地で過ごし始めた、期待と不安がとてもリアルに描かれています。
人間はただでさえ生きる環境や周囲にいる人の言動に影響を受けやすい生き物。
しかも主人公は「芸術」を仕事にしているので、いい悪いという人の感性、ある意味はっきりした得点や勝ち負けで判定されないことが多い、答えの見えにくい仕事で突き進んでいく為には、自分自身や他人が自分を疑ったり不安を覚えた時に、それを跳ね飛ばして「これで大丈夫!!」と思わなければならない、圧倒的に自分を信じ抜く力がなければならないんだなということを非常に強く感じます。
まだ新社会人として働き始めた主人公にそれが欠けているのは当然で、気にしない人は全然気にしないでやっていくことも出来るのでしょうが、私はそういうのを生真面目に、新人だとか、若いとかは関係ないんだ。やれるようにならないと駄目なんだと思ってる主人公の考え方とかとても好きです。
ただずっと胸に巣食って来た不安や自分への疑いは大きいのもとても感じるので、これがいつか平気になって行くのか、ずっと残り続けるのか、そして残ったとしても平気に思えるようになるのかとか、どうなっていくんだろうととても展開が楽しみです。
新しい自分の部屋の部屋が最初は冷たく白々しく感じられたけど、段々と自分を包み込んでくれる繭のように感じられるようになっていった、という表現がとても素敵です。
作者からの返信
七海ポルカさん
第6話への温かく、そして鋭い洞察に満ちたレビューをありがとうございます。
「圧倒的に自分を信じ抜く力」——まさに本作の主人公が、新天地という剥き出しの環境で直面している最大の課題です。
表現の世界において、正解や勝ち負けという明確な物差しがない中で一歩を踏み出す不安は、どれだけ経験を積んでも消えることはありません。それでも「新人だから」と甘えず、自らを律しようとする主人公の生真面目さを好きだと言っていただけたこと、作者としてこれほど心強いことはありません。
また、部屋を「繭」と感じる描写についても触れていただき、大変嬉しいです。冷たかった空間が少しずつ自分を保護する場所に変わっていく過程は、彼女の心が再生し始めている証でもあります。
この不安が平気になるのか、あるいは抱えたまま歩み続けるのか。
ポルカ様に見守っていただけることで、物語はより力強く進んでいける気がします。
これからの展開も、ぜひ楽しみにしていてください。
心からの感謝を込めて。
暁月 紡
第3話 東京の喧騒と影への応援コメント
【母の優しさとも、父の不器用な励ましとも違う、同じ道を歩む先輩からの、具体的で力強いエールだった】という言葉がとても印象的でした。
親は子供への無償の愛情があるため、それはとてもありがたいことだし、温かい信頼だと思うけれど、ある意味何の根拠もないことがあって、何の慰めにもならないこともあると感じます。
だからこそ血の繋がらないまっさらな他人が自分を理解してくれたり、歩み寄ってくれたり、好きだと言ってくれたりすると、自分という一人の人間がこの世界で確かに生きていることを認められたように感じられて嬉しいのかもしれません。
強い不安を、「この人になら」とちゃんと相手を見て打ち明けられた主人公も、先輩からのエールを新しく足を踏み込んだ世界で、新しく会った人からもらえた新鮮な言葉だと受け止められた感じが、きちんと強くなりたいと願って生きようとしている人間性を感じられます。
デザインも芸術の領域に入るものですから、明確な成功と失敗が分かりにくい世界で、仲間やクライアントと言葉を交わし合いながら双方が満足出来るものを作り上げていかなければならないのだろうなと思います。
そういう世界で生きていくには、圧倒的に自分自身を信頼したり、チームやパートナーを信頼したり、信じる力が必要だと思うので、この主人公がどんな風に自分の仕事と東京での新生活を過ごしていくのか本当に序盤から楽しみです。
作者からの返信
七海ポルカさん、第3話へのレビューありがとうございます。暁月 紡(あかつき つむぎ)です。
ポルカさんが書いてくださった「親の愛情が、何の慰めにもならないこともある」という言葉、胸に深く刺さりました。無償の愛ゆえの「根拠のなさ」が、時に孤独な戦いを続ける人間にとっては、かえって残酷な響き(ノイズ)になってしまうことがありますよね。
だからこそ、デザインという実力の世界で出会った先輩からの、具体的で等身大の言葉……それこそが藍にとって、初めて自分の足元を照らす「確かな光」になったのだと、私も確信しながら筆を動かしました。
血の繋がらない他者が、自分の存在や仕事を「肯定」してくれる。その瞬間に生まれる新しい「呼吸」のようなものを、ポルカさんがこれほど丁寧に汲み取ってくださったことに、大きな感動を覚えています。
「信じる力」を必要とする東京という街で、藍がどのような音を立てて成長していくのか。序盤からこうして深く共鳴していただけることは、作者として何よりの幸せです。
これからも、藍が紡ぎ出す物語を、どうか温かな眼差しで見守っていただければ幸いです。
第23話 風に乗る翼、広がる未来への応援コメント
藍が強くなったというだけじゃなく、
彼女が耳に入れるものが、周囲の交流を持ち、信頼するようになった、顔の分かる人たちの現実の言葉を重視して大切にするようになったことも、心が揺るがなくなって来た理由の一つなんだろうなということが伝わって来ます。
以前の彼女は顔も分からない相手の、直接言われたわけではない、「そう思われているかもしれない……」という言葉を非常に気に掛け、怯えていました。その声が強すぎて本当に誉めてくれる人の言葉も届かないくらいだったのに、今はそれが逆になっていて、上手く行かないことがあったり、意見を他人から言われても、それより自分を支えてくれたり認めてくれたりする、現実の、信頼出来る人たちがかけてくれた言葉を大切に心に響かせてる感じがありますね。
芸術はどうしても他人に評価されるものですから、このあたり自分で作品が作ったことがある人なら分かる部分だと思います。
自分が弱かったり、実力が無い時ほど、自分を疑ってしまうので否定的な他人の意見にどうしても心が揺れてしまう。
でも自分を段々と信じられるようになると、自分を肯定してくれたり、支えてくれる人の言葉を信じられるようになる。
すごく芸術家の心境がリアルに描かれていて素敵です。👏
作者からの返信
七海ポルカさん
「月蝕の庭」を読み解き、主人公の心の機微にこれほど寄り添ったお言葉をいただき、深く、深く感謝いたします。
仰る通り、彼女を支える「言葉の優先順位」が変わったことこそが、今作で描きたかった彼女の最大の成長です。
かつての彼女にとって、見えない誰かの「……かもしれない」という不安は、目の前の確かな賞賛さえも塗りつぶすほど巨大な影でした。けれど、今の彼女を支えているのは、共に時間を過ごし、言葉を交わし、信頼を積み重ねてきた「顔の見える人たち」の現実の声です。
芸術という、正解のない海で漕ぎ続ける者にとって、自分を信じるための「錨(いかり)」をどこに下ろすかは死活問題です。自分を肯定してくれる人の言葉を「正しく信じる」ことの難しさと、それができた時の強さを感じ取っていただけたことは、作者としてこの上ない喜びです。
作品を作ることの痛みと救いを共有してくださり、本当にありがとうございました。
これからも、彼女が自分の光を信じて歩む姿を見守っていただければ幸いです。