第39話「戴冠式」
き、緊張するなぁ。今から
すでに魔界全土に新たな魔界の支配者が誕生した事は知らせてある。
「魔王の娘が生きていたのか」「なんだか弱そうだな」
うぐ、言いたい放題言うが、魔界の支配者としての
「あ、あれは白銀の魔剣クロスレイン!?」「真の魔界の支配者しか持てない伝説の武器じゃないか!」
どうやら効果抜群らしい。今なら私の声を聞いてくれるのかもしれない。
「魔界の住人達よ聞け! 私が現れたのは、前の魔王のように人間界を支配する為ではない! 戦う事しか知らないお前達に別の生き方を教える為に現れたのだ!」
私の発言を聞いて、集まった魔物達は困惑していた。
それでも私は続けて言った。
「確かに、この魔剣クロスレインがあれば魔界も滅ぼせるし人間界すらも破壊できるだろう。だがな、私はそんな野蛮な事はしない! 先代の魔王が野蛮だったから、お前達まで野蛮になったのだろう。私の代では戦う以外の生き方、つまりお前達に退屈を与えない生き方を教えてやる!」
ニシリカで演劇をやったお陰かな。なんか芝居も上手くなってる気がする。
そして、私達の作戦通り、魔界の住人達の中から私以外のクラウンバレットのメンバー全員が現れた。
「我々の名はクラウンバレット、空に浮かぶ魔王城から演説をしてる魔界の姫リミカを誘拐させてもらう。それが嫌なら全力で抵抗するが良い」
サラも中々に演技が上手くなってるな。
⬛︎
この演説とクラウンバレットの出現によって魔界の住人達は困惑していた。
「どうする? リミカ姫は俺達に戦う以外の生き方を教えると言ったが」
「何か考えがあるんだろう。15年間も行方不明だったし、その間に先代の魔王とは異なる思想を手に入れたんじゃないか?」
ふむふむ、私は魔王城から眺めてるだけだが、予想通りの反応をしてるな。
すると、玉座に座ってる私に軍師が耳元で呟いた。
「あ、あの、本当にクラウンバレットの皆さんには手加減しない方が良いのですか?」
「下手に手加減すると逆に怪しまれる。私もできる限りの事はするが。軍師よ、私の仲間に遠慮なんて要らないぞ?」
「それで良いのでしたら、はい、軍師として本気を出させてもらいます」
魔界を救う為の怪盗エンターテイメントが始まろうとしていた。
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