第15話「マカロン家に潜入」
ーーマカロン家の屋敷。
そこには100人もの獣人が使用人として働いていて、彼らは獣王計画でマカロン家に買い取られた奴隷ではあるが、マカロン家から高待遇な報酬を受けてるので誰も文句を言わなかった。
そんな中で、クラウンバレットの面々はケモノ薬で獣人化してマカロン家に潜入するのであった。
⬛︎
「新しい使用人か? そうだな、獣王計画のせいで、これ以上は獣人を雇えないのだが……まぁ5人だけなら大丈夫か。獣人の人権団体からの圧力が強いからな。くれぐれも問題を起こすなよ」
なんかマカロン家の執事っぽい人から説明を受けて、私達クラウンバレットは全員潜入する事に成功した。
タイムリミットは1日。
それまでに獣王の王冠を奪って逃げる。
言うだけなら簡単だが、100人もの獣人から逃げられる自信がない。
アサンがリヴァイアサンになって暴れると言う最終手段があるが、それだと死人が出そうだから嫌なんだよな。
私達5人はバラバラになった。それぞれが上手く行ってる事を願うしかない。
「へー、リミカって言うのか。なんかクラウンバレットのボスと同じ名前だけど、履歴書読んだよ。名前が同じだけで別人なんだね。ワタシは君の教育者になったカランだよ。よろしくね」
ほう、カランはウサギの獣人の少女なのか。
……相手がウサギでも油断できないんだよな。
獣人にコードブレイクをしても素の身体能力が高いからな。
弱い私は真っ先にやられる。
「あぁよろしくなカラン。それじゃ、挨拶しようか」
ディンから獣人同士の挨拶を教わった。怪しまれないようにするけど、これ本当に挨拶なの?
「はーい、こんぺたらー、よろしくねリミカ」
本当だった。こんぺたらは獣人同士の挨拶で、頬っぺたと頬っぺたをくっ付けるらしい。
これは男女関係なしにする獣人達の文化だそうだが……恥ずかしいし距離が近いから、こちらの正体がバレないか不安になる。
が、私の不安とか関係なしに、こんぺたらは完了した。
「じゃあ、リミカには獣王の王冠の手入れして貰おうかな」
「は!? アレってマカロン家の財宝だろ!? 私みたいな新人に任せて良いのかよ!?」
「え? だってアレ財宝とか名ばかりで、ほぼガラクタだよ? ワタシ達100人の獣人が被ったのに何も起こらなかったもん。マカロン家の人達もほぼ諦めてる。でも魔界の魔術師が作っただけでも価値があるから財宝扱いされてるけど、獣人の王様ねぇ……そんなの現れないと思うけどなぁ」
なるほど、表向きはマカロン家の財宝としての
カランは悪そうな獣人じゃないから、できれば戦いたくないなぁ。
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