第7話「ディープなキス」
な、なんだこの状況は?
私はサラに抱きつかれてる。
リヴァイアサンの前で、しかもレミアとディンに見られながら。
『足りないな。汝らの百合の波動は、その程度ではあるまい。もっと百合百合しろ』
アレかな? 本来は海のモンスターなのにハラサカ家の人間達に捕まって地下空間に押し込められてるからストレスになってるのか?
いや、早くアトランティスの涙を手に入れないと他のモンスターやハラサカ家の兵士が来る。
「え、えぇいリヴァイアサンよ! お前は私達に何を求めてる!」
『え? いやほら、キスとかしないの? ただイチャイチャホールドする程度では我は満足しないぞ?』
こんの色ボケドラゴンめぇぇ!!
「こうなったら仕方がない、リミカ! チューをするよ!」
「ま、ままま待て! まだ心の準備が!」
私はレミアとディンに視線を移すとジェスチャーで『がんばれ!』としか返ってこなかった。
く、くそぉ!
「じゃあサラ、少しだけだからな」
うわー、王女とキスとか、なんだこのシチュエーションは。
私の唇とサラの唇が重なる。柔らかい。
人生初のファーストキスなんだが。
『良かろう。汝らの愛を確認した。お望み通りアトランティスの涙を授けよう……あの、もう良いんだが? なぜ、まだキスをしてる?』
「チュー」
「んー! んー!」
⬛︎
「ぜぇ、はぁ、あんなにディープなキスとかしなくて良いだろ!」
私が肩で息をしてると、アトランティスの涙を持ったレミアとディンが戻って来た。
「よ、よぉ、お、おおおお疲れ様だな」
「がうがう! すごいのが見れたのだ!」
レミアが動揺してるし、ディンが興奮してる。うわーん! 恥ずかしいよぉー!
サラは仮面してるけど、絶対に満足してるぞコイツ!
『……ふむ、一つだけ提案しても良いか?』
「な、なんだよリヴァイアサン。もう用事は済んだろ?」
『もっとリミカとサラの百合百合波動光線を浴びたいので我を仲間にしてくれないか? てか、こんな狭い地下空間に居る意味がなくなったし』
すると、リヴァイアサンの体が光に包まれたかと思ったから、私と同い年ぐらいの16歳ぐらいの人間の少女の姿に変身した。
髪は海のように青く、瞳は宝石のような色をしていた。
「……お前、女だったのかよぉ!!」
「うむ! これからよろしくなリミカ! リヴァイアサンとか名前が長いから『アサン』と呼んでくれ!」
こうして、また仲間が増えるのであった。
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