第6話「真実の愛」
ハラサカ家の屋敷の地下空間最奥。
今回はクラウンバレットの四人で下級のモンスターと一度も遭遇せずに最奥まで来た。
アトランティスの涙が入った宝箱を守るかのように、地下空間の巨大な湖の中にリヴァイアサンが居た。
さすがにリヴァイアサンを無視して宝を奪うのは不可能だ。
「ふむ、まだリヴァイアサンにはバレてないな。リヴァイアサンは高度な知性を持つドラゴンだと聞く。もしもリヴァイアサンの大蛇のような巨体で巻き付かれて湖に引きずり込まれたらアウトだ」
「つまり、リミカと私の提案でリヴァイアサンとは戦わずに交渉をして、ダメだったら私とリミカがリヴァイアサンの注意を引いて、その隙にレミアとディンが水底にあるアトランティスの涙を奪うんだよね?」
「サラの言う通りだ。まずは堂々とリヴァイアサンの前に出るぞ」
私は意を決してリヴァイアサンが居る湖に近付くと、リヴァイアサンは城のように巨大な胴体を蛇のように持ち上げて、私達に向かって話しかけてきた。
『ほぉ、人間、ハーフ天使、エルフ、獣人、奇妙なパーティだな。ここまでの道中を無傷で来たと言う事は、
「わ、私はクラウンバレットのボスであるリミカだ、貴殿を高名なドラゴンとして交渉しに来た」
『なるほど、確かに汝らでは我には勝てないな。こうして言の葉を交わせるのだ。良いぞ、我に望みを打ち明けろ』
「無理を承知で頼むが、アトランティスの涙を頂戴しに来た。我等は怪盗団ゆえな」
『ほぉ、怪盗とな? ふむふむ、よく分からんが、ハラサカ家の人間どもに捕まって、こんな狭い地下空間で宝石一つ守るだけの番人になって嫌気がしてたのだ。良いぞ、くれてやる』
「え?」
あ、あっさりだな。なんか拒否されると思ってた。
『と、言いたいが……なんかつまらんな』
「なんか要求するのか?」
『ふーむ、我は
「???」
リヴァイアサンが悩んでると、いつの間にかレミアとディンが、いつでも水中に潜れる準備をしていた。
リヴァイアサンが私とサラをジロジロと観察した後に、とんでもない発言をした。
『汝ら、我の前で真実の愛を見せろ』
「はい?」
『我は女の子同士のイチャイチャを愛する者なり。百合の間に挟まろうとする者を喰い殺す者なり。リミカと言ったな、そこの仮面の少女とイチャイチャし、我を嫉妬させろ』
……リヴァイアサンが、すんごい恋愛バカなドラゴンだった!?
そして、いつの間にかサラが私に抱きつく構えを取っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます