«たかし»の能力 



たかしは 紛れもなく

絶対音感の持ち主だった


私がうたをうたうと

上にも したにも

絶妙な おとで

ハモリを入れてくれた


歌うことだけでなく


そのギターの腕前も

まるでプロ顔負けの

素晴らしい ものだった


私は いままで生きてきて

絶対音感をもつ人に


あったのははじめてのことだ


それこそ

神に選ばれた

音楽のモウシゴ


そんな ふうに

おもえて


私は 私が欲しかった

紛れもない 才能を

持っている たかしが

羨ましくて

眩しくて


まだこの時は


たかしのもつ

苦悩を

知る由もなかったんだ

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