みみをすませば

みぃ

«私»のゆめ





たかしのみみは

とてもいい


いや

よかった。。

というべきか


たかしは生まれつき

絶対音感を持っていた


私の ゆめは

歌い手になること


高校生から

自分でお金をかけて

声楽をならい

アマチュアバンドで 

うたい

プロのバンドの メンバーであった

先生について

とにかく

歌い手という夢にむかい

ひたむきに追いかけていた


だけど 声は出るように

発声練習を 

死ぬほど 繰り返しても

少しくらいの楽器を

演奏できても


どうしても

足りないものがあった


夢を現実にしたくて


半ば意地になって


根拠のない自信に

自分を励ます


虚しい日々


切々と


繰り返す




ある時

私は 流れてくる

歌声に気づく


その声に

私は ハッとした

 

その歌声は

リズム

音程

声量


どれをとっても

素晴らしすぎるものだった


暫し聴き入る

 

時間が経つのも忘れて


いつの間にか

なみだがながれはじめていた

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