第4話「Way:未知」

20XX年4月8日14時22分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。


大上さんが帰ってからしばらくしてから二人組のお客さんが来た。一人は背の高い男性で薄いピンク色の髪色だった。もう一人は華やかな赤が目立つ美人な女性の方だった。


「いらっしゃいませ!CAFETERIA 4696へようこそ!!二名様ですか??」

「そうです。」

「そうしたら、こちらのテーブル席へどうぞ。」

「君は新人かい??前来た時はいなかったが・・・。」

「はい、本日より働かせてもらってる上林です。」

「そうなんだ。俺の名前は、天野っていうんだ。こっちは契約者の紅嵐(くらん)。」

「契約者ってことは半妖異能者の方ですか??」

「そういうことだ。私はこの男と契約を結んだ。この男は探偵もやってるから何か困ったことがあったら頼むといい。」

「そうなんですね。よろしくお願いします。何かご注文などはございますか??」

「そうだな。紅嵐は何が食べたい??」

「私はアイスコーヒーだけでいい。」

「え~~。それだけなの??お腹空かない???」

「私は基本的に食べなくても・・・。」

「『六斗の気を吸ってるから・・・。』でしょ???」

「わかってるじゃないか・・・。」

「だからこそ食べたいものを食った方が吸うときも気軽だろ??」

「え???」


その言葉で紅嵐さんの顔が赤くなったのが分かった気がした。

その後、紅嵐さんは小さな声で『ショートケーキ』を頼んだ。


20XX年4月8日14時34分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。


「探偵さんってどんなことするんですか??やはり、殺人事件だとか難解な事件を聞きつけて推理したり、身体がちっちゃくなったままだったり・・・。」

「あはは。それはないよ。めったにね。基本的に依頼者と話してこつこつ証拠集めて依頼者に情報提供するってだけ。」

「そうなんですね。」

「少しがっかりしたか??でもな。こつこつやるってのはそう簡単にできないことだからな。この男にとても見てる仕事なんだ。」

「そうなんですね。がっかりはしなかったですが。」

「まぁ、ドラマとか小説の世界だけじゃないかな??」

「そりゃそうですよね。事件の解決は基本警察ですよね。」

「そうだね。」


そのあと、二人は仕事の話をしてから何処かへ向かった。


20XX年4月8日14時43分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。


「なんかとても甘酸っぱいものを見た気がします。」

「あぁ、あの二人か??」

「はい。」

「そうだね。毎回ああやってイチャイチャするんだよ。」

「お付き合いって・・・。」

「できないねぇ。半妖異能者っていうのは、いってしまえばやどかりさん。店舗賃貸契約と一緒だから・・・。」

「やどかり??」

「半妖異能者からみれば、自分の身体や精神力という部屋を使って自分にできないことや仕事をしてもらうし、契約者は自分のできることなどを代金として住まわせてもらう。」

「そういうもんですか・・・。」

「そう。怪異だとか空想上のものは契約することで人となるんだ。これ以上はない。」

「過去にはいたんでしょうか??恋人関係になれた半妖異能者と契約者は・・・。」

「どうだろうねぇ。結構難しいことかも・・・。一人や二人はいそうだけど・・・。」

「そうなんですね。」


20XX年4月8日14時54分。喫茶店『CAFETERIA 4696』の向かいの店。


「ここが、奴がいる場所か??ちっちぇえ店だな。」

「まぁでも、ばれにくいんじゃないか??」

「16:30から作戦実行なんだけど早くないか???」

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