記016 国生蹉跌(くにうみさてつ)

□□□■1■□□□

那岐「あ、入りました!」


 “でべそ”が“ひっこみべそ”に、ピタリはまる。

 結合部からパアアと光がひろがり――は目をあけていられない。



□□□■2■□□□

水蛭子「ヒルコー!」

淡島「アワシマー!」


 宙に出現した、水蛭子ひるこあわしま


 水蛭子から――ドロッとしたたり落ちるにくかい

 いっぽう淡島は――ぼんやりと輝きが弱まっていく。



□□□■3■□□□

那岐「早すぎたんですね」

那美「固まってない……」


 くずれ落ちてしまった水蛭子は――あしふねにおさめて流す。

 淡島は――輝きをうしなって消えた。



□□□■4■□□□

 打ちひしがれ、両手を地につける那岐。


那岐「何がダメだったんでしょう」


那美[ほとんど全部じゃん……?]


 口をパクパクさせる那美。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る